こんにちは。
寝つきが悪い、眠りが浅い、疲れているのにイライラ、ドキドキして眠れない…。このような不眠でお悩みの方は多いように思います。
…といっても、睡眠薬は習慣になるのが怖いし、頭がボーっとするのでのみたくない…。そんな方におススメしたいのが漢方薬の「安神薬(あんじんやく)」です。
安神薬の「神」とは精神のことを指します。つまり、安神薬というのは、精神安定作用のある薬のこと。ボクたちのような現代人の不眠の主な原因というのは、何といっても過度のストレスの積み重ね…。精神を安定させることによって、「心地良い」「深い」眠りを取り戻そう…というのが中医学的な発想です。
漢方薬は、西洋医学の睡眠薬とは違い、昼間に眠たくならず夜になると自然に眠りに入り、翌朝には頭がスッキリした状態で起きられます。また、不足した脳の栄養を補給し、脳のはたらきを活発にすることで自然なバイオリズムを取り戻す手助けをします。
・ストレスがたまって心身が疲れる、かえって興奮して眠れなくなる不眠に
ポイントとしては、寝つきが悪い、眠りが浅い、夢をよく見る、イライラする、心臓がドキドキする、のぼせる…などの症状があります。代表的な漢方薬は「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」「シベリア人参」です。
・暴飲暴食タイプ、水分代謝低下タイプの不眠に
ポイントとしては、お酒やしつこい食べ物が好き、舌に黄色い苔がベッタリついている、胸のもたれ、吐き気、めまい、頭が重くつまった感じがする、精神安定剤を長くのんでいる…などの症状があります。代表的な漢方薬は「温胆湯(うんたんとう)」です。
・胃腸が弱いタイプの不眠に
ポイントとしては、食欲不振、軟便、疲労倦怠感、アザができやすい、低血圧、貧血、生理不順、皮膚がカサカサしている…などの症状があります。代表的な漢方薬は「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」「帰脾湯(きひとう)」です。
・体液不足タイプの不眠に
ポイントとしては、血圧が高め、動悸、不安感がある、舌の先が赤い、足・腰がダルい、のぼせ、手足がほてる、のどが乾く、寝汗をかきやすい…などの症状があります。代表的な漢方薬は「天王補心丹(てんのうほしんたん)」です。
・精神ストレスなどによって生じるイライラ、興奮のタイプの不眠に
ポイントとしては、イライラが強い、血圧が高め、不安感がある…などの症状があります。代表的な漢方薬は「ミンハオ」「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」です。
興奮状態=熱症状があり、その熱が五臓のどこなのか…舌診(ぜっしん)からも確認することができます。
舌の先が赤い場合は「心熱」があるため「天王補心丹」など、舌のフチが赤い場合は「肝熱」があるため「酸棗仁湯」を…。舌の表面に黄色い苔がビッシリ付いている場合は「温胆湯」を、歯痕(舌のフチにつく歯型)があったり、目のクマがある場合は「心脾顆粒」を…など、舌診も漢方薬を選ぶ基準にもなることを中医師から教えてもらいました。