こんにちは。

山口中医薬研究会の勉強会に「劉伶(りゅうれい)先生」をお迎えして、止咳・平喘薬の使い方についてお話していただきました。

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セキ・喘息に関連する疾患としては、カゼ、気管支炎、気管支喘息(アレルギーを含む)、肺炎、腫瘍、胸水、胸膜炎、肺結核、塵肺、肺線維症、心肺機能不全…など様々。

原因としても、粉塵や花粉、煙などの異物の刺激や、気管・気管支の自己防衛反応、気管・気管支のけいれん、酸素不足、胸水・胸膜の刺激症状など…。

中医学の考え方としては、「肺失宣降 肺気上逆」という考えから、まずは「寒熱」「虚実」を診ていく必要があります。

たとえば「寒証」の初期はセキ、悪寒、発熱が…長引くと痰が白く泡が立つ、冷え、手足が冷たいなど。「熱証」の初期はセキ、発熱、顔が赤い…長引くと痰が少なく粘調で、口渇、ほてりがあるなど。

セキ・喘息では「痰」や「セキ声」も重要なチェックポイントですが、これも虚実を確認することが大切です。

それにより、使う漢方薬が変わってくるからです。漢方薬の咳止めはタイプにより、たくさんの種類あります。

劉伶先生は、中医学的な弁証方法…タイプ分けと、それに対する代表的な漢方薬…さらに先生の実際の症例を交えてお話されました。

その中で、印象に残ったのが「間質性肺炎」の症例でした。

もともと慢性気管支炎と診断されて漢方薬をのんでいた方で、中医学を知らない先生から、セキの薬だからと「麻黄湯(まおうとう)」をススメられ1年間のんだそうです。全然良くならず、逆に調子を悪くされたそうで、酸素吸入で呼吸をされていたそうです。劉伶先生に相談 されたのはその後です。そのときには間質性肺炎と診断され、肺も線維化していたそうです。

麻黄湯はカゼの初期に、悪寒がするが汗が出ない人のカゼ薬…。発散させ、汗をかかせて治すので、せいぜい3日くらいのんで終わりです。発散させることで気も陰も消耗します。中医学の理論でから考えると、麻黄湯を1年のむということで、どんどん気と陰を消耗し、それが肺を乾燥を加速させたんだと思います。ふつうは麻黄湯を1年間のみ続けることは考えられません…。

劉伶先生は、その方に麻黄湯を中止してもらい、セキ・喘息に対する漢方、気と陰を補う漢方、線維化から守る漢方を出されたそうです。劉伶先生の出された漢方薬で体調は持ち直し、ゴルフができるまで改善されたそうです。

むかし、「小柴胡湯(しょうさいことう)」により、重篤な副作用として間質性肺炎が騒がれたことがありますが、これも同じようなケースだと思っています。

セキと言っても「証(タイプ)」が違うと、悪化につながる…ということで、ちゃんと「証」を見極めるしっかりした弁証が大切なことを改めて感じました。