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嚥下機能の低下により、食べたり飲んだりしたものが誤って肺に入る…。これによって起こる「肺炎」のことを「誤嚥性肺炎」と理解されている人が多いと思いますが、正しくは「誤嚥性肺臓(ぞう)炎」と言うのだそうです。

「誤嚥性肺炎」の原因は「菌」であり、①自覚症状が少ない、②微熱程度である、③咳が2週間以上続く、④不顕性誤嚥がある…という特徴があります。

自覚症状が少ない(中枢反射の低下)、微熱程度である(免疫の低下、高齢)という特徴から、「脳」と「免疫」が関係しているとも考えられています。「誤嚥性肺炎」は50歳を過ぎると増加するというデータがあります。

「誤嚥性肺炎」のポイントとして、「咳反射とサブスタンスP」の関係が取り上げられます。

「サブスタンスP」は神経伝達物質で、正常に食べ物を飲み込んだり、咳をしたりできるように働きかけます。この物質が低下すると嚥下や咳の反射が鈍くなってしまうわけです。

そうなると、嚥下や咳の反射が正常に行われなくなり、気付かぬうちに口の中の雑菌を含んだ唾液などを気管に誤嚥する「不顕性誤嚥」が日常的に起こります。それを毎日繰り返すうちに、全身の症状が悪化したときに「誤嚥性肺炎」を発症するようになるわけです。

「サブスタンスP」の量は加齢で低下しますが、脳梗塞後遺症やパーキンソン病、アルツハイマーなどの病気や、向精神薬などの薬でも低下させる原因ともなります。