こんにちは。山一薬局立小路店の岡村祥平です。
「寝たきりになる原因」の3割近くを占めているのが脳卒中などの脳血管の病気です。
以前多かった脳出血は、最近は栄養状態が改善されて血管が丈夫になり、破れにくくなり減少してきているようです。その一方、脳梗塞は増えています。
免疫細胞の一種で、スカベンジャー(掃除屋)であるマクロファージが、血管内の余分な脂肪を大量に取り込み、これが血管内腔を狭くする…ということが知られています。
今年の夏は本当に暑かったです。そして、大量の汗をかきました。そうすると、体内の水分量が減少し、血液からも水分が出てしまいます。
ご存じの通り、血漿の90%以上は水分です。その水分の減少により、血液全体に対する血球成分の占める割合が増えるため、血液は流れにくくなります。
この血液が、狭くなった血管を流れようとして流れにくくなり、流れにくくなった血液は固まりやすくなります。
ついには、詰まって脳梗塞…などの血管の病気が起きてしまうんです。
「早朝に多い血管の病気…」「特に注意すべきは午前中…」というのはご存知ですか?
起床とともに、体は活動するために交感神経系が活発になります。血管がそれと共に緊張するんです。緊張し縮んだ血管では血液量も減少するんです。
また、副腎皮質ホルモンの作用も関係しているようです。
副腎皮質ホルモン(広義でステロイド)はその名のとおり、副腎皮質から分泌されるホルモン。 副腎というのは腎臓の上にある小さな臓器で、主にホルモンの分泌に関与しています
その副腎皮質ホルモンの分泌には、日内リズムというものが存在し、深夜から朝にかけて多く、それ以降は徐々に下がり夕方ごろ最低となるという一定のリズムがあります。
副腎皮質ホルモンが急激に分泌されると、交感神経はさらに活発になり、いっそう血管は縮まります。そして、脳血管や心筋の酸素消費量が急激に増えるんです。
血管が収縮して血液の流れが悪くなると、血液は粘りっこくなり、血液は固まりやすくなります。
悪いことに、いったん固まった血液を溶かす働き(t-PA活性)も弱まっています。
このように複雑な条件が絡み合って、早朝の脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすい…と言われています。