こんにちは。

一般に、ボクたちの皮膚の表面には外部から刺激物(細菌やホコリなど)を体内に入れないためのバリア機能が備わっています。

体内へ刺激や異物が入るのを防ぐためにある皮膚のバリア機能ですが、年齢や体質、季節に変化します。バリア機能が弱いと皮膚の内部に刺激が入りやすく、湿疹や皮膚炎などを起こしがちに…。

バリア機能を保つために大切なのが皮膚の表面の角質層…。この角質層が健全だとバリア機能も丈夫なのです。この角質層は表面の皮脂や角質細胞の保湿作用のあるアミノ酸、セラミドなどで守られています。

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皮脂は毛穴から出て皮膚の表面全体を覆います。出生直後は盛んに出ますが、6ヶ月経つとグンと減り、それが思春期まで続きます。また、子どもは大人に比べて皮膚も角質も薄いので、その分、保湿作用のあるアミノ酸やセラミドも少ないため、乳幼児や子どもは皮膚トラブルを起こしやすい素地があるわけです。

バリア機能の一番の大敵は乾燥…。冬にアトピー性皮膚炎が悪化するのは、戸外も室内も乾燥するのと、寒さで皮膚の血管が収縮して皮脂が少なくなるから…。掻いたり、強くこすることも角質層が剥がれてしまうので気を付けなければいけません。

汚れも要注意で、汚れはそのまま刺激となり、バリア機能の弱った部分から入り込み、症状を一層ひどくさせます。

その他にも、この時期だと紫外線や細菌、ダニ、カビなどに注意が必要です。

いったんバリア機能が弱まると、健康な肌なら影響を受けないようなものでも刺激になります。その刺激が皮膚に炎症を起こし、湿疹や痒みにつながるわけです。「痒いから…」と掻き毟るとますます悪化する…という悪循環に…。

中医学の皮膚病治療は、「内から」「外から」「本から」の3本柱が基本となります。内から=内服、外から=外用治療と弁証スキンケア、本から=養生(食養生、禁忌、生活養生など)…を指します。

根本的には「内から」「本から」ですが、同時に「外から」皮膚のバリア機能を高めてあげることで、効果がより高まります。「仮の柱」を建ててあげるわけです。

スキンケアの場合、カサカサ肌にローションで水を与え、クリームで保護することですが、その前に必要なのは、「皮膚を清潔に保つこと」。ボクたちの皮膚は想像以上に汚れが付いているからです。

1つは垢や汗などの「体の内側からの汚れ」、もう1つはホコリやダニ、細菌などの「体の外側からの汚れ」です。この2つが微妙に混じり合うと、汚れの成分が変容し皮膚を強く刺激することになります。石けんやボディーソプなどで汚れを落としアレルゲンなどを除去することが大切ですが、とはいえ、汚れを落とすことは大切な皮脂までも洗い流してしまうので、洗い過ぎは禁物です。

毎日の正しいスキンケアがバリア機能を高め、症状を防ぎます。