こんにちは。
日本には、1月7日に「七草粥」を食べる習慣があります。
「七草粥」は「お屠蘇」と同じように、もともと古代中国に生まれた習慣だそうで、その後日本に伝わったものだとされています。
春の七草は、セリ(解熱、整腸)、ナズナ(利尿作用)、ゴギョウ(咳を鎮める効果)、ハコベラ(鎮痛・歯槽膿漏予防)、ホトケノザ(解熱・解毒作用)、スズナ(利尿・便秘解消)、スズシロ(食欲増進)…。健胃・消化促進作用のあるものが多いです。
お節料理やお餅の食べ過ぎなどによって疲れた胃腸を整えるための、生活の知恵として日本に定着したものだと思います。
ボクもスーパーで「春の七草セット」を買って、初めて作ってみました。ボクの場合はご飯を出汁に入れて煮込んだので「七草雑炊」ですが…。
日本の正月に欠かせないお餅は、栄養豊富なものですが、粘り気があるため脂肪類と同じように消化しにくく、食べ過ぎると胃腸の働きが低下し、痰や湿(体に溜まったヘドロのようなもの)を生みやすくなります。そこに新年会などでお酒やビールを多量に飲むと、その傾向をさらに助長することになります。
胃腸に湿が溜まり、気の流れが停滞すると、悪心、嘔吐、下痢、腹部膨満感などの症状が出てきます。腹部膨満感は、西洋医学では腸内の異常発酵などと表現されますが、中医学では「気の停滞」と考えています。この場合、これらの症状の改善は「余分な湿を取り除き、滞った気の流れを良くする」方法が取られます。
この場合、芳香化湿薬である藿香(かっこう)を主薬とする「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」がよく用いられます。「正気」とは、不正の(乱れた)気を正常化するという意味があります。
この処方が活躍するのは「夏場のジメジメ(湿気)による胃腸のカゼ」ですが、年始の食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃腸障害にも有効です。
日本では「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」として販売されています。