こんにちは。
「脳梗塞」と聞くと一般的に冬に多い…と思われがちですが、実は夏にも多いことをご存知でしょうか。
夏は気温の上昇によって体の水分が減り、血液がドロドロになるために流れにくくなります。また、熱を放散させようと末梢の血管が拡張するため、脳の血流量が低下し、血栓を作りやすくなります…。
つまり、知らないうちに汗をかき、体内の水分が失われ、血液の流れが悪くなり、血栓ができやすくなる…ということです。特に「高血圧」や「高脂血症」の人は特に注意が必要です。
中医学では血液の流れが悪くなることを「瘀血(おけつ)」と言います。
予防として「水分をとれ…」というのは常識で、各種の飲料水が出回っています。一般的に水を1日2リットル以上…と言われていますが、普通はそんなに飲めるものではありません。特にお年寄りや、もともと胃腸が弱い方が水だけを摂り過ぎると、胃酸を薄めてしまうので、消化不良になったり、胃腸の働き自体を悪くしてしまうこともあります。
胃腸は食べ物を「気」「血」「津液(水)」に変化させて全身に働きがありますが、夏バテなどの疲労から胃腸の調子が悪くなると、栄養を吸収し全身に運ぶことができません。
つまり、汗で水分と一緒に体内の「気」が不足すると、水分代謝も低下し、いくら水分をとっても、体にとって有用な水分である「津液(水)」にはなりにくいからだと考えています。
中医学では、水分を吸収・排泄する代謝システムは、「気」の力により推進されると考えています。従って、水分と一緒に「気」も補うことが大切で、それにより体の隅々まで「津液」が行き渡り、体の活力が蘇ってくるのです。
暑い夏は冷たいアルコールも美味しい季節になり、ついつい飲み過ぎてしまいますが、大量のアルコールを摂取するとそれ以上に水分が失われ、知らないうちに脱水症状に陥ってしまうので、逆に血液の流れを悪くさせる原因となります。
水分の摂りかたや吸収できる体質づくり、「瘀血」の改善が予防の大きなポイントとなってきます。漢方薬や自然薬を上手に利用し、胃腸を整え、こまめに水分補給を…。