こんにちは。

ストレスに対する抵抗力には個人差があります。

ストレスに弱い人は、精神疾患にかかりやすいだけでなく、その他の病気にもなりやすく、しかも治りにくい…と言われます。

生まれつきストレスに強い人もいますが、弱い人の場合、漢方薬を使うことで強くする…ということもできると考えます。

そのポイントの1つとなるのが「胆」。

「度胸があって普通の人が恐れるようなことでも平気で行う…」という意味で「大胆」という言葉がありますが、中医学では五臓六腑のうちの「胆」には胆嚢・胆汁の働きのほか、「決断をつかさどる臓器」と考えていて、精神活動と関係の深い臓器であると考えられています。

つまり、「胆」の機能が強ければ、決断力があり、ストレス病にならないということになります。

このような中医学の理論に基づいて、「温胆湯(うんたんとう)」という処方が生まれました。

「温胆」…というのは「胆」を温める…という意味ではなく、「胆」の機能を強化することにより「決断力を強め」「ストレスに対する抵抗力をつける」ということです。

逆に物事にビクビクする、不安感、決断に迷う…といった精神状態を「胆寒(たんかん)」と言うそうですが、日本でも恐怖体験をしたときに「胆を冷やした」という表現をすると思います。昔の人は、このような症状を直感的に「胆の冷え」と考えたようです。

そのため、ストレスからくる不眠やイライラ感、憂鬱感の改善には、この「温胆湯」がよく利用されます。