こんにちは。

先日の中医皮膚病IP講座の2017年度スクーリングの中での「1歳未満の乳児の腸はリーキーガット症候群だ…」というお話。

「リーキーガット」とは「リーキー=漏れる」「ガット=腸管」という意味で、小腸の微絨毛の隙間から本来は吸収されるべきでないものが血液中に取り込まれてしまう状態…のことです。別名「腸管壁浸漏症候群」とも呼ばれます。

つまり、1歳未満の乳児は「変なものを入れない・取り込まない」…という腸のセキュリティが弱いというわけです。

「1歳未満の乳児にハチミツ🍯を与えてはいけない」と言われています。

それは、ハチミツに含まれるといわれる「ボツリヌス菌」の芽胞(植物でいう種子)が乳児の体内に入り発芽、増殖し、ボツリヌス毒素を産生…。この毒素が体内に吸収され「乳児ボツリヌス症」を引き起こすかもしれないからです。

「ボツリヌス菌」は土壌や河川などに広く分布している嫌気性菌で、非常に毒性の強いボツリヌス毒素(神経毒)を作ります。

「乳児ボツリヌス症」を発症すると、便秘状態が3日以上続いた後、哺乳力が低下し、鳴き声が弱くなり、無表情、首がすわらなくなるなどの症状があらわれ、次第に全身の筋力が低下していきます。重症では、呼吸困難、呼吸停止になることも…。

比較的新しい感染症で、国内では1986年に初めて報告され、感染源としてハチミツが疑われたため、厚生労働省から「1歳未満の乳児にはハチミツを食べさせないように…」と通知されたそうです。それにより、1990年以降ハチミツが原因の「乳児ボツリヌス症」は報告されていないそうです…。

ですが今日、離乳食として与えられたハチミツが原因で生後6ヶ月の男児が「乳児ボツリヌス症」で死亡した…というニュースがありました。

ニュースでは、

『男児は2月16日からせきや鼻水などを発症。その後、けいれんや呼吸不全を起こして救急搬送された。乳児ボツリヌス症と診断され、3月30日に死亡した。男児は1月中旬からの約1ヶ月間で1日平均2回、離乳食として蜂蜜を混ぜたジュースを飲んでいた。摂取量は1日10グラム程度と推定されるという。』

とあります。死亡するのはまれだと言われていますが、もう一度1歳未満の乳児にハチミツを与えないよう注意喚起を促す必要があります。

実際、厚生省の昭和61年度「厚生科学研究事業」の報告では、ハチミツ512検体のうち27検体(5.3%)から「ボツリヌス菌」が報告された…ということで、ハチミツを食べると必ず発症するわけではないようですが、腸のセキュリティが弱い1歳未満の乳児に与えないのが賢明です。