こんにちは。

漢方薬って「何か」の根や葉、茎っていうイメージですよね。どちらかといえば、ボクたちの普段なじみのないもの…というイメージです。名前も難しく、読めないような。

漢方薬の中にも、ボクたちが普段から、なじみがある物もあるんです。

その中に、胃腸の働きをスムーズにする「陳皮(ちんぴ)」「枳殻(きこく)」があります。

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「陳皮」は温州みかんの皮。「陳」には古いという意味があります。褐色になるまで寝かせた「陳皮」は、香りも良く、治療効果に優れているということで名づけられました。

「陳皮」のおもな働きは「胃腸の働きを活発にして栄養分の吸収を高める」こと。ストレスのため胃腸の気の流れが悪くなり、これによって生じた、食欲不振・腹部膨満感・むかつき・おう吐・下痢などに効果があります。

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一方、「枳殻」はダイダイ・タチバナなどの実で、未成熟のうちに成熟したものを「枳実(きじつ)」、成熟させたものを「枳殻」と言います。

「陳皮」に似た働きがあるのですが、その効果はより強め。お腹が脹って痛む・胃腸の働きが悪く下痢あるいは便秘をする・スッキリ排便できず残便感がある・ゲップやガスが多いなどの症状がある場合に使われます。

ただ、作用が強いので、虚弱体質の人は、長期間・多量使用は控えた方がいいと思います。

ストレスの影響を最も受けやすいのは、何と言っても胃腸です。そして、胃腸機能を調整する生薬として「陳皮」や「枳殻」が良く使われます。

ミカンの皮は七味唐辛子の中にも入っていて、日本でも古くから胃腸薬として利用されてきました。また最近では、アロマセラピーでも柑橘類はストレスを取り除き気分を落ち着かせる働きがあるとされ、広く利用されています。