こんにちは。
「お腹が冷える」「腰が冷える」「手足が冷える」「下半身が冷える」「背中が冷える」「とにかく寒さに弱い」…。
これらは冷え性…と称されますが、中医学では「畏寒(いかん)」や「四肢厥冷(ししけつれい)」…という表現になるかもしれません。
畏寒…寒がり(陽虚)体質で周りの人よりも寒さに弱く、いつも厚着をしないと寒さを覚える状態のこと。
四肢厥冷…手足の末端から肘や膝の方へと、寒さが広がっていく状態のこと。
冷え性の原因として、西洋医学的には貧血や低血圧、甲状腺機能低下、自律神経失調症…などが考えられます。しかし、日本において冷え性が多いのは環境や生活習慣にも深い関係があると思われます。
人間は「恒温動物」であり、季節や環境などに応じる能力をもっています。「恒温動物」は、血液で体温を保つ「温水暖房」…と言えます。
なので、寒いのに薄着をしたり、いつも冷たいものを飲んだり食べたりすると、体温調節機能が狂ってしまって、段々と体が冷えてしまいます。
中医学では冷えの原因を「気血(きけつ)」の問題と考えます。
「気」と「血」は切っても切れない仲間…。「気」が「血」を暖め、「気」が「血」を動かすので、「気」と「血」が体の「温水暖房」を司っているので、「血」が不足した滞ったりすると、暖房の効きが悪くなり、体が冷えてしまうんです。
「気血」を補い、血流を良くすることが、冷えを治す基本的な方法です。
冷えは女性に多い…というのはなぜか?
女性は月経という生理現象により、男性よりも血液が多く消耗され、常に「血」が弱い状態…「血虚(けっきょ)」にある状態があるからです。「血虚」によって体が冷える→冷えによって血行が悪くなる「瘀血(おけつ)」の状態に…。
「血虚」→「冷え」→「瘀血」→さらに「冷え」…の悪循環が生じてしまい、冷えが複雑化し治りにくくなります。
「冷えは万病の元」…とありますが、冷えを放置すると、生理痛や生理不順、カゼを引きやすくなったり、便秘、めまい、不妊症、流産…などの様々なトラブルにつながる可能性があります。
中医学の冷え性対策としては、「気血」を充実させることとともに、「気血」の巡りをよくすること。「気血」を充実させ、その流れを良くすることによって、冷えが改善できるだけでなく、貧血やめまい、月経不順、生理痛…などのトラブルの解決にもつながります。
合わせて、「季節に応じて適時に服を加減」したり、「冷たいものの摂り過ぎには注意」「適度な運動」などを。