こんにちは。
中医学では、カゼは風邪(ふうじゃ)が皮膚から侵入して発病する…と考えます。
これを阻止するため、皮膚の表面には「衛気(えき)」という「気」が流れて、汗腺の開閉による温度調節などにより、体表をしっかりとガードしています。
「衛気」は人体の第一次防衛ライン…たとえるなら、敵の侵入を防ぐための「万里の長城」のようなもの。
この「衛気」が不足すると、汗をかきやすくなったり、寒冷刺激に対する防衛力が落ちてしまうため、カゼを引きやすくなるわけです。温度変化にも順応しにくく、ちょっとした気候の変化でもくしゃみや鼻水などのアレルギー症状もあらわれます。季節の変わり目に必ずカゼを引く…という人も、「衛気」の不足が考えられます。
「衛気」を強くする代表的な生薬に「黄耆(おうぎ)」があります。
「黄耆」には、「免疫調節作用」「血圧を安定させる作用」「抗老化作用」「肌の成長を促す作用」「環境への適応力を高める作用」などの秘められたパワーがあります。
そんな「黄耆」が主薬である漢方薬に「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」があります。「衛気を益す」…というネーミングですが、中国では「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」という名前で知られています。「玉石のように貴重な屏風で、大切な家を外敵から守る…」という意味があるんです。
皮膚や粘膜の防衛能力を強化する「黄耆」に加え、胃腸のはたらきを良くする「白朮(びゃくじゅつ)」と抗アレルギー作用のある「防風(ぼうふう)」で、より強固な守りになります。
「衛気」の強化で防衛ラインを強めて、カゼの侵入を防ぎましょう。