こんにちは。
2種類以上の点眼剤を使用するときの順序です。
2種類以上の点眼剤を使用する場合、A点眼剤→5分あける→B点眼剤→5分あける→…という投与間隔となります。
複数の点眼剤を同時に使用する場合、先に点眼した液が、後に点眼した液に洗い流されて、効果が減弱するから…と言われます。
点眼剤を点眼して、30秒後に違う点眼剤を点眼した場合、作用が50%減弱する…とも言われます。2分後に点眼した場合は70%の作用が残るんだとか。
そのため、複数の点眼剤を併用する場合は、できるだけ間隔をあけることが望ましいのです。通常、5分以上間隔をあけると相互の影響はほとんどなくなると考えられています。
医師から特に指示がない場合、点眼の順序を気にする必要はないとされています。ただ、あえて順序をつけるとしたら、以下の通りです。
①良く効かせたい点眼剤を後から点眼する
先に点眼した液が、後の点眼剤によって洗い流される可能性がある
②懸濁性点眼剤は後から点眼する
懸濁性の点眼剤は水に溶解しにくく、吸収されにくい
③油性点眼剤・眼軟膏は後から点眼する
油性点眼剤・眼軟膏は、水性点眼剤を撥水する
④粘性の高い点眼剤は後から点眼する
薬物滞留性を効果的に発揮させるため
⑤涙液のpH(7.0~7.4)に近いものから点眼する
使用する点眼剤のpHが涙液より離れていると、眼を刺激して涙液量が増加するため、点眼剤が薄まったり、結膜嚢からの点眼液の排出が速まってしまう可能性がある
1回の点眼量としては、1滴で十分です。
結膜嚢の最大容量は約30μLで、常時約7μLの涙液が存在しています。点眼剤の1滴量は30~50μLであるため、点眼された液の大部分は眼瞼よりあふれてしまいます。あふれた液の大部分は、鼻涙管を通って鼻腔に流れ、鼻粘膜・咽頭粘膜から吸収されて全身性の副作用を引き起こす…可能性があります。それ以外にも、眼外へあふれ出た点眼剤は接触性皮膚炎の原因となることもあります。
なので、1回の点眼量は1滴で十分なのです。