こんにちは。
甘味料にはショ糖(砂糖)以外にも様々なものがあります。また、血糖値に影響するもの、しないものとあります。
現在使用されている甘味料は、大別すると、「糖質系甘味料」と「非糖質系甘味料」の2種類に分けられます。「糖質系甘味料」は、砂糖、でん粉由来の糖、その他の糖、糖アルコールに分けられ、「非糖質系甘味料」は、天然甘味料と合成甘味料に分けられます。
<糖質系甘味料>
1.糖類
ショ糖 4kcal/g (甘味度 1)…血糖値の影響「あり」
・甘味度の基準となる甘味料
・緩下作用なし
ブドウ糖 4kcal/g (甘味度0.64~0.74)…血糖値の影響「あり」
・ショ糖より甘みが少ないため、単体として使用されることは少ない
果糖 4kcal/g (甘味度 1.2~1.7)…血糖値の影響「あり」
・果実の甘さを形成、糖類中で最も甘い
・低温で甘味度が増す
・ショ糖のように胃の活動を弱めない
・代謝はインスリン非依存
麦芽糖 4kcal/g (甘味度 0.4)…血糖値の影響「あり」
・食後高血糖を防止
乳糖 4kcal/g (甘味度 0.16)…血糖値の影響「あり」
・乳酸菌の活性化(整腸作用)
2.糖アルコール
エリスリトール 0kcal/g (甘味度 0.75~0.85)…血糖値の影響「なし」
・ショ糖より甘味の切れが早く、結晶では冷涼感がある
・耐熱、耐酸、低吸湿性、味覚改善効果
・代謝はインスリン非依存
キシリトール 3kcal/g (甘味度 0.9)…血糖値の影響「なし」
・甘味度はショ糖と同等で、甘味の切れが早く冷涼感がある
・耐熱、耐酸、油脂の変性防止、色素の安定化
・大量摂取で下痢
・代謝はインスリン非依存
ソルビトール 3kcal/g (甘味度 0.6~0.7)…血糖値の影響「なし」
・保湿、タンパク質変性防止作用や老化抑制作用
・代謝はインスリン非依存
パラチニット 2kcal/g (甘味度 0.45~0.6)…血糖値の影響「なし」
・ショ糖に似たマイルドな甘味で、後味が残らない
マンニトール 2kcal/g (甘味度 0.5)…血糖値の影響「なし」
・食品の粘着防止剤
・代謝はインスリン非依存
マルチトール 2kcal/g (甘味度 0.8~0.95)…血糖値の影響「なし」
・甘味はショ糖に近く、後味が残らない
・耐熱、耐酸、難消化性、ビタミンCの安定化、物性の改善・品質向上効果など
・代謝はインスリン非依存
ラクチトール 2kcal/g (甘味度 0.3~0.4)…血糖値の影響「なし」
・ショ糖に似たスッキリとした甘味で、後味が残らない
・耐熱、耐酸、低吸収、難消化性、腐食防止作用
・血糖値上昇抑制効果
3.オリゴ糖
イソマルトオリゴ糖 4kcal/g (甘味度 0.5)…血糖値の影響「あり」
・ビフィズス菌の増殖作用、整腸作用
ガラクトオリゴ糖 2kcal/g (甘味度 0.2~0.4)…血糖値の影響「なし」
・ビフィズス菌の増殖作用、整腸作用
キシロオリゴ糖 2kcal/g (甘味度 0.5)…血糖値の影響「あり」
・ビフィズス菌の増殖作用、整腸作用
大豆オリゴ糖 3kcal/g (甘味度 0.7)…血糖値の影響「あり」
・難消化性、ビフィズス菌の増殖作用、整腸作用
フラクトオリゴ糖 2kcal/g (甘味度 0.3~0.5)…血糖値の影響「なし」
・後味の上品な甘味。酸性条件下で長時間加熱するとショ糖に戻る
・難消化性、ビフィズス菌の増殖作用、整腸作用
・大量摂取すると下痢を起こす
・ネオシュガーとも呼ばれる
マルトオリゴ糖 4kcal/g (甘味度 0.2)…血糖値の影響「あり」
・食品の保湿(一定の粘度を保つ)、缶詰などに使用
ラクトスクロース 2kcal/g (甘味度 0.35~0.6)…血糖値の影響「あり」
・ビフィズス菌の増殖作用、整腸作用
<非糖質系甘味料>
1.天然甘味料
グリチルリチン 0kcal/g (甘味度 100~150)…血糖値の影響「なし」
・後味の持続時間は長く、口中に甘味が残る
・医薬品が甘味料として認められる
・着色性、抗アレルギー作用あり
・発酵性はない
ステビア 0kcal/g (甘味度 100~180)…血糖値の影響「なし」
・ショ糖に近い甘味で清涼、特有の後味と苦味がある
・耐熱、耐酸・アルカリ性、発酵性なし
トレハロース 4kcal/g (甘味度 0.45)…血糖値の影響「あり」
・あっさりした甘味、甘さが残らず上品
・食品変性防止、冷凍耐性の向上
2.人工甘味料
アスパルテーム 4kcal/g (甘味度 180)…血糖値の影響「なし」
・苦味、渋味などを伴わない、やや後味が残る
・熱に弱くアルカリで分解し甘味が低下
アセサルフェームK 0kcal/g (甘味度 200)…血糖値の影響「なし」
・甘味質が柔らかで、ほんの少し苦味が残る
・耐熱、耐酸
サッカリン 0kcal/g (甘味度 200~700)…血糖値の影響「なし」
・濃度が低いほど甘味が強く、濃いと苦味が出る
・酸性や煮沸により分解して苦味となるので、酸性の強いものや加熱するものへの使用は不向き
・非吸収性、微生物の生育を阻害しないので、漬け物類の甘味料として用いられることが多い