こんにちは。
ボクたちの身近な食材の中に「ハチミツ」があります。これも薬膳の1つ。
「ハチミツ」には、「肺」に潤いを与えてはたらきを高めてくれる「潤燥(じゅんそう)」作用があります。
中医学でいう「肺」は、呼吸器系の肺はもちろん、呼吸をする…という意味で皮膚も「肺」の一部に含まれます。
空気の乾燥しやすい秋は、「肺」が弱る…と言われています。カゼでセキが出る、のどが痛む、肌が乾燥する…という症状がこの時期増えて来るのもこのような理由です。
こんなときは「ハチミツ」の「潤燥作用」で潤いを取り戻すといいかもしれません。
中国では同じく「肺」を潤す「梨」と一緒に食べる習慣があります。「梨」の真ん中をくりぬいた中に「ハチミツ」を入れて丸ごと蒸して食べるそうです。日本でも「ハチミツ」にビタミンCタップリの「レモン」でハチミツレモンを飲んだりしますよね。
「ハチミツ」は「肺」に潤いを与え、カゼの予防になります。
加えて、中医学では「肺」と「大腸」は密接な関係がある…と言われています。「ハチミツ」が「肺」を潤す…ということは「腸」を潤す…ということで、便を通しやすくする「潤腸通便(じゅんちょうつうべん)作用」があるとされます。
「ハチミツ」は体を極端に温めたり冷やしたりすることがないので、どんな人にも使いやすいし、ブドウ糖と果糖の2糖類が多いので、消化吸収が早く疲労回復を促進します。
「ハチミツ」も、何の花から採れたものかで、その薬効が変わるとも言われています。そのもとの植物の薬効もプラスされる…ということです。
よく漢方薬の中で、「ハチミツ」で練って作られたものがあります。硬くなく、キャラメルに近い食感です。
「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」の蝋丸にはナツメの花からとった「ハチミツ」が使われています。これは中国の伝統的な製法で、より消化吸収を高めて潤いを与え、効果が高まっています。