こんにちは。

胃腸は体の中心軸。

ボクたちの体は、飲食物を消化吸収し、エネルギーを作り出し、生命を維持しています。中医学の「脾(ひ)」は消化器系の代名詞で、エネルギーをつくる源と考えています。

胃腸が丈夫でないという体質は、まず大本の「脾」のはたらきが不足した状態とみます。「脾」がはたらかなければ、消化吸収が十分に行われないので、下痢をしやすく、腸の蠕動運動が低下しておなかにガスが溜まったり、元気もなくなります。このような状態を「脾気虚(ひききょ)」と言います。

このような「脾気虚」におススメな漢方薬が、「健胃顆粒(けんいかりゅう)」です。

「健胃顆粒」は別名、「香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」という名前です。

疲れやすく元気が出ない、息切れがする、食欲がない…といった「気虚(ききょ)」タイプの人に使われる「四君子湯(しくんしとう)」。

これに理気(気を巡らせる)作用の「陳皮(ちんぴ)」と去痰作用のある「半夏(はんげ)」が加わり、痰が多いなどの症状を改善作用が加わります。これが「六君子湯(りっくんしとう)」。

この「六君子湯」に、さらに理気作用のある「木香(もっこう)」「縮砂(しゅくしゃ)」を加えたものが「香砂六君子湯」です。腹痛、腹部膨満感などに対する効果が強化されています。

この「香砂六君子湯」=「健胃顆粒」は、胃腸機能をアップさせる、ベースとなる胃腸薬だとボクは思います。

人により、それでも色々と胃腸に症状が出ることがあります。

特にこの時期に多い、夏の湿気による「胃のムカムカ」には、「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」です。

慢性的に下痢、食欲もなく、やせて顔色が悪い…といった人は「健脾散(けんぴさん)」。

神経が細やか、また不眠がある人は「温胆湯(うんたんとう)」がいいと思います。

イライラしやすい、腹部の膨満感、下痢・便秘を繰り返す…といった人は、「気」の巡りが悪いので、そんな人には「開気丸(かいきがん)」がおススメです。

また、虚弱体質で疲れやすく、内臓下垂があるような人は、「補中丸(ほちゅうがん)」がいいと思います。

それぞれ自分のタイプに合った、漢方胃腸薬を選ばれるといいと思います。