こんにちは。
老化とともに、お顔のくすみ、シミ、シワなどが目立って気になりますよね。過労、夜更かし、慢性の肝・腎疾患の人たちは、くすんだ色の顔になりやすいものです。これは、副腎皮質機能の衰え…とも関係します。
中医学では、副腎皮質機能は「腎」と関係があると考えます。
「腎」は成長、発育、生殖の根本で、女性は「腎気(じんき)」が盛んになる時期、女性ホルモン様のはたらきで体を成熟させ、月経を起こさせます。「腎」には脳下垂体、副腎のはたらきも含まれる…ということです。「腎」が女性ホルモンの分泌をコントロールをします。
「腎」のはたらきが活発になると、「精血(せいけつ)」が溢れ、結果としてお肌がキレイになっていきます。
そんな「腎」を補う大切な生薬として「地黄(じおう)」があります。「地黄」はゴマノハグサ科の植物の根茎で、「補腎薬(ほじんやく)」といわれる漢方薬の中に大体入っています。
脳下垂体の機能が低下する月経困難と無月経、子宮の発育不全による不妊症に、この「地黄」が優れている…と言われています。
そんな「地黄」ですが、「熟地黄(じゅくじおう)」と「生地黄(しょうじおう)」の2つに分けられます。
「熟地黄」は根茎を蒸して天日で乾燥させたもので、レーマニン、マンニトール、ビタミンA類似物質などを含み、美容、血糖降下、喘息、便秘などに良い効果があるようです。
また、滋養・強壮の力が強く、「腎虚(じんきょ)」による妊娠中の胎児の異常なはたらき、習慣性流産に使われてもいます。
「熟地黄」は、「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」「八仙丸(はっせんがん)」「天王補心丹(てんのうほしんたん)」「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」「独歩顆粒(どっぽかりゅう)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などの「補腎薬」に入っています。
また、世界一の美女ものんでいる「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」にも入っています。
一方、「生地黄」は新鮮な根茎で、血の中の熱である「血熱(けつねつ)」をしずめ、水分代謝を助けるはたらきがあります。女性ののぼせ、手のひらや足の裏のほてり、更年期障害による頭がボーっとする感じ、耳鳴り、足腰のだるさなど、「腎虚」の症状に使われます。
「血熱」によって起こる不正性器出血、吐血、鼻血、尿の血、皮下の出血、セキによる出血、便血などの出血にも効果があり、のどの腫れと痛み、口の渇き、便秘の解消にも…。
アトピー性皮膚炎による皮膚の赤み、紅皮症などに優れた効果があります。
「生地黄」の入った漢方薬には「清営顆粒(せいえいかりゅう)」があります。「清営顆粒」は、「血熱」が原因で起こる皮膚トラブルに効果があります。
ただ、「地黄」が入っている漢方薬をのむ方で、たまに胃に触る方がいらっしゃいます。
「地黄」は栄養がいっぱいで、例えて言うならこってりしたお肉料理を食べるようなもの。なので胃腸が弱い方は、そのような反応がある場合が…。そんなときは、少ない量から始めたり、消化を助ける漢方薬と一緒にのんだりするといいと思います。
美しく、健康で、しかも長生きであることは、ボクたちの究極の願いです。