こんにちは。

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体のバランスをとる生薬で「川芎(せんきゅう)」があります。

「川芎」はセリ科の植物の根茎を乾燥させたもの。

「川芎」はセロリのような濃い香りを持ち、「良く巡り、上は頭に行き、下は腹に達し、外は皮、肌を徹し、さらに四肢に通じる…」と中医学では言います。

「川芎」は「血」を巡らせながら、「気」をよく巡らし、体の表(体表)と内側、上半身と下半身のバランスをとる…ものです。

女性の下腹部には卵巣、子宮など生殖に必要な器官が集まっていて、血液の60%が下半身に集中しています。

したがって、腹部のトラブルも多く、月経不順、生理痛、無月経、産後の腹痛などに「川芎」はよく使われています。

体を冷やすと、血の流れが滞り、「瘀血(おけつ)」になりやすく、卵巣やホルモン分泌の機能が低下します。そのため、ホルモンバランスを崩して生理痛、月経不順などを起こしてきます。

また、細胞のすみずみまでに新しい血液が流れにくくなるために、細胞が老化し、肌荒れ、シミ、さめ肌などになりがちです。「冷え」は美容の大敵なんです。

「川芎」の入った漢方薬を上手に利用して、腹部の「瘀血」を取り除き、血行を促進し、腹部の血液をキレイにし、卵巣、子宮の機能を活発化し、体を温めることが非常に大事です。

「芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)」や「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」は、女性の腹部の代謝を良くする有名な漢方薬です。

また、「川芎」は寒気が強いカゼによる頭痛、偏頭痛、肩こりなどにも使います。「血」をよく巡らせ、神経や血管のけいれんを緩める効果が…。

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「川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)」は頭痛に対して使う有名な漢方薬。「頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)」という名前で販売されています。

さらに、「川芎」は心臓の「瘀血」を取り、胸の痛みを改善するはたらきがあります。「川芎」は血圧を下げ、冠状動脈の血流量を増加し、冠状動脈の抵抗を下げ、血栓の形成と血小板の凝集を抑制する…というはたらきが。

このような薬理効果は「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」に生かされています。