こんにちは。山一薬局立小路店の岡村祥平です。

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ニキビは「青春のシンボル」と言われるように、10~20歳代に多く見られ、男性92%、女性94%が経験する…んだそうです。

ニキビの正式名称は「尋常性ざ瘡」という皮膚病です。

日本人の場合、ニキビは軽症から中症度のことが多く、ほとんど自然に治るため、あまり病気と捉えられていない傾向があります。

「たかがニキビ…」ととらえがちですが、お顔にできることが多く、痕に残るほどに重症化することがあるなど、実はQOL(Quality  of  Life 生活の質)に大きな影響を及ぼす病気です。

一般的にニキビは、「面皰(めんぽう)」「丘疹(きゅうしん)」「膿疱(のうほう)」などいくつかの段階に分けられています。

面皰…毛穴の出口近くで角化異常が起きると、毛穴がふさがれて皮脂が出られなくなった状態。

丘疹…皮脂がたまりアクネ菌が増殖し、毛包とその周囲に炎症が起こった状態。

膿疱…炎症がさらに進むと、広がった毛包の壁が破れて炎症が周囲に広がり、膿をもった状態。

ニキビは男性ホルモンの作用による皮脂の分泌増加と、角質異常により毛穴がふさがれることで毛包内に皮脂がたまった状態です。

面皰の内部は毛穴がふさがり空気が遮断された状態になっているので、空気を嫌うアクネ菌が増殖して、たまっている皮脂を分解して脂肪酸をつくります。

この脂肪酸が毛包とその周囲に炎症を起こした状態が「丘疹」で、炎症がさらに進んで、毛包壁が破れて炎症が周囲に広がり、膿をもつようになった状態が「膿疱」です。

ウチの薬局に来られるタイプとしては、この「膿疱」の状態での方が多いです。

中医学では、赤みが強い、膿をもって痛みがあるような場合には、熱がこもり化膿や感染があるような皮膚状態なので、「熱毒(ねつどく)」が強いと考えます。

対応としては、この「熱毒」に対して漢方薬を使っていきます。

特に女性の場合は、ホルモンバランスの乱れから起こる場合が多く、その原因はさまざまです。過労やストレスによってホルモンバランスが崩れていると考えられます。また、それらにあまり思いあたらないのにニキビができるという人は、卵巣機能の低下などが潜んでいる可能性も…。

中医学ではホルモン分泌、ストレスの影響を最も受ける自律神経のバランスを調整することが大切と考えます。

また日常の注意としては、洗顔で余分な皮脂を取り除き、皮膚を清潔に保つこと。また、低刺激性の化粧品でメイクでニキビを隠すのではなく、目立たなくするように。

そして、食事については「熱毒」を生むような「甘いもの」「油ものや肉類」「香辛料の多いもの」「加工食品」や、胃腸機能を落とす「生もの」や「冷たいもの」をなるべく減らすように…。お肌の状態と食生活には関係があります。

和食を中心に「腹八分目」で、旬の野菜を中心に火を通してタップリと、バランス良く、そしてよく噛んで食べてください。