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1970年代に、中国の国家プロジェクトとして始まった虚血性心疾患などの「冠心病(かんしんびょう)」の治療薬の開発。

そこで生まれた治療薬が「冠心Ⅱ号方」でした。

この処方は、「丹参(たんじん)」「川芎(せんきゅう)」「赤芍(せきしゃく)」「紅花(こうか)」「降香(こうこう)」といった、5種類の生薬が配合されています。 いずれも「活血化瘀(かっけつかお)」を促す漢方生薬です。

「活血化瘀」とは、中国の伝統的な治療法。

「活血」とは、血液の質を改善し、流れを良くすることで、「化瘀」とは血液の汚れや濁りを取り除いてキレイにすることを言います。 この中でも主薬となるのは「丹参」です。

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「丹参(たんじん)」…日本には自生しないシソ科タンジンの根で、サルビアの一種です。地中海地方では、セージと呼ぶ香料として料理に使われています。「丹参」は末梢血管を拡張し血圧を下げる作用と瘀血(おけつ)による痛みを取り除きます。

「川芎(せんきゅう)」…セリ科の植物センキュウの根茎で、薬効は血栓を作りにくくして血液循環を促します。

「赤芍(せきしゃく)」…キンポウゲ科シャクヤクの根を乾燥させたもので、心臓の冠状動脈を拡張すると同時に、心臓の平滑筋のけいれんを抑え鎮痛効果があります。

「紅花(こうか)」…キク科ベニバナの花冠で冠状動脈を拡張する作用があります。

「降香(こうこう)」…ミカン科のコウコウの木部を乾燥させた生薬で、精神安定作用があります。

これらの5種類の生薬が一体となって相乗効果を出し合い、血行を改善し、心臓の血流障害によって痛みを発するような状態を改善させるんです。

この「冠心Ⅱ号方」を大衆向けにさらに改良したのが「冠元顆粒」です。

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「冠元顆粒」は「冠心Ⅱ号方」から「降香」をはずして、代わりに精神的ストレスにも効く「木香(もっこう)」と「香附子(こうぶし)」を加えたものになります。