こんにちは。

中医皮膚病のスクーリングで、韓(はん)先生の講義がありました。韓先生は、山一薬局立小路店にも来ていただいていたので、ウチの薬局のお客様の中でご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

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韓先生は「皮膚病と経絡について」のお話でした。

経絡とは、五臓六腑の気血を運ぶ道のこと。「経」は大きな道、「絡」は小さな道のことです。

経絡は十二経脈あり、「陰経」と「陽経」に分かれています。陰に属するものは「五臓」、陽に属するものは「六腑」です。

「陰経」には「手の三陰経(肺経、心包経、心経)」と「足の三陰経(脾経、肝経、腎経)」があります。手の三陰経は「胸→手」に、足の三陰経は「足→胸」に向って気血が運ばれます。

「陽経」には「手の三陽経(大腸経、三焦経、小腸経)」と「足の三陽経(胃経、胆経、膀胱経)」があります。足の三陽経は「手→頭」に、足の三陰経は「頭→足」に向って気血が運ばれます。

「陰経」は体の内側、「陽経」は体の外側を通っています。

分かりづらいかもしれませんが、「陽経」は頭に集中しています。つまり、頭は「陽」(火)が強いので、一番寒さに強い場所…と言えます。真冬でも、顔だけは何もなくても寒くありませんよね。逆に言うと、頭(顔)は炎症が起こりやすく、皮膚のトラブルの出やすい、最後まで症状が残りやすい部位でもある…ということです。

頭に熱があり手足が冷えている「冷えのぼせ」の状態では、温めることはのぼせを悪化させますし、冷ますと足が冷えてしまいます。そのときは、気血のめぐりを良くするで、その症状がとれる場合があるんです。そのようなときは、経絡が詰まっているんです。

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「経絡と皮膚病」の関連性で理解しやすいと思われるのが、「胆経」と「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。

「帯状疱疹」は、三叉神経、肋間神経、坐骨神経に沿って出ます。そして、その場所は「胆経」と一致しています。「胆経」は目→耳→ろっ骨→足の側面→足の先へと流れる経絡。そして、それは「陽経」なので外側を通っています。「胆経」はまっすぐ一直線ではなく、ジグザグしながら足の方へ向かっています。なので「胆経」は詰まりやすい経絡なんです。「帯状疱疹」は「胆経」の湿熱(しつねつ)からくる瘀血(おけつ)と考えられます。

その他、経絡の関係する特徴的な皮膚病を色々お話しいただきました。経絡から皮膚病を理解する…ということは、皮膚病が内臓(五臓六腑)と大きく関連しているということだということなんだと思います。

「経絡と皮膚病について」…とても興味深いお話でした。

韓先生、ありがとうございました。