こんにちは。

ボクたち人間の体は血液が運ぶ酸素や栄養によっていきいきと保たれています。この大切な役割を担っている血液の流れが悪くなると、酸欠や栄養不足となり、内臓や脳の働きを悪くし、色々な病気の原因に。思考力も落ち、物忘れも多くなりますし、筋肉がこわばり、肩こりや筋肉痛の原因ともなります。

中医学では、血液の流れが悪くなった状態を「瘀血(おけつ)」と呼びますが、「瘀血」が酷くなると、極端な場合、血管を塞ぎ血の流れを止めて、狭心症や脳梗塞をもたらすことがあります。病気が長引くと血流が悪くなり、「瘀血」となり、ますます回復が困難になります。

中医学には「未病を治す」という重要な考え方があります。日頃の養生によって病気を未然に防ぎ、体調を崩す一歩手前の段階で食い止めるようというものです。

現代の西洋医学では、検査データが優先するあまり、体調の変化や自覚症状だけではなかなか病気として認めてもらえないところがあります。検査データにはあらわれない病気の前段階、つまり「未病」の人には多くの場合、「瘀血」の傾向がみられます。中医学で「瘀血」の考えが重視されるのは、体の不調をいち早く見つけだすための貴重な手掛かりとなるためです。

体に発生した「瘀血」を除去する方法を、中医学では「活血化瘀(かっけつかお)」と呼んでいます。漢方薬の中には、血液の汚れを除去し、イキイキとよみがえらせる働きをもった「活血化瘀」の薬がたくさんあります。これらの薬は、血液が滞るのを阻止する力を持った各種生薬で構成され、できてしまった「瘀血」を取り除くのはもとより、「瘀血」の発生予防にも優れた効果を発揮します。

また、血管は一番人間の寿命と一致する器官なのだそうですが、その人の実年齢は、血管が若いかどうか。「血管が老いる」ということは「人が老いる」と同じ意味ということになります。最近は肉食中心の食生活で血管の老化が早まり、若い人にも動脈硬化が増えています。「人は血管とともに老いる」と言われますが、「活血化瘀」の方法で血液をいきいきと流れるように保つことは、老化予防にもつながります。

「瘀血」の予防は毎日の生活が基本です。適度な運動を行い、ストレスがたまらないよう心掛けてください。更に、十分な睡眠をとり、バランスよく食べ、生活環境(特に冷房病)に注意することが養生につながります。