こんにちは。山一薬局立小路店の岡村祥平です。
糖尿病や糖尿用予備軍の人の診断に重要な検査の「HbAic」の測定方法が、JDS値からNGSP値に最近変わっています。
JDS(日本糖尿病学会:Japan Diabetes Society)値は、長い間日本の臨床現場で使われていた日本独自の測定方法です。
一方、NGSP(国際標準:National Glycohemoglobin Standardization Program)値は、欧米など日本以外のほとんどの国で使われている測定方法です。
同じ検体を測定してもJDS値(%)はNGSP値(%)よりも大体0.4ポイント低くなるようです。2012年頃からJDS値からNGSP値に変更するよう、日本糖尿病学会が勧告しています。2013年の4月からは原則NGSP値での報告が原則となっています。
HbA1cとは、赤血球のヘモグロビンに血液中のブドウ糖が結合したもので、ブドウ糖が多いほどヘモグロビンとたくさん結びつく為、数値は高くなります。HbA1cでは、過去1~2ヶ月の血液中のブドウ糖の平均的な状態が分かります。というのは、赤血球の寿命は4ヶ月で、新陳代謝で半分入れ替わるのに約2ヶ月かかりますから、HbA1cから過去1~2ヶ月の血糖の状態が分かるのですよ。
HbA1cの適正基準の範囲として4.6~6.2(NGSP値)。特定診断での目標値はHbA1c(NGSP値)で5.6に設定されています。
それまで血糖値の補助的な扱いだったHbA1cが2010年から格上げになりました。最初に血糖値とHbA1cを測定し、血糖値が「糖尿病型」であり、HbA1cが6.5以上(NGSP値)で「糖尿病型」であれば、それで「糖尿病」と診断されるようになりました。
血糖値は数日間の食事などで数値が変わりやすいのに対し、HbA1cは検査前の食事や運動など生活習慣の影響はほとんど受けず、安定した検査数値といえるので信頼性が高いと言えます。