こんにちは。

女性の10人に7人以上が冷えで悩んでいると言われているほど、「冷え」は女性に多い症状ですが、冷え症の起こる理由は、末梢の血管に血行障害があるために、手足や体が冷たくなると考えられています。

ひどい人は、真夏でも寒く感じることがあり、電車や室内の冷房が辛くて体調を崩してしまいがちです。冬は凍りつくように冷えて、なかなか温まらない女性も少なくありません。

体が冷えると免疫力も落ちてしまいます。それが「冷えは万病のもと」と言われる所以です。

それにしても、どうして女性の方が男性よりも冷え性で悩んでいる人が多いのでしょうか?

その理由は2つ考えられます。1つは、一般的に女性の方が熱を発する筋肉量が少なく、熱を生み出さない皮下脂肪が多いため。2つ目は、ホルモンの影響です。

女性はホルモンの働きに敏感で、ホルモンバランスを崩してしまうと、その影響で自律神経の働きも乱れてしまいます。自律神経は血管の収縮にも関わっているので、結果として末梢の血管に血液が行き届かなくなり、いわゆる血行障害を起こしやすいということです。

西洋医学では「体が冷える」という病気はありません。要するに、「冷え性」は病院に行っても解決しないことになります。

一方、漢方では「体の冷え」は体質を知るうえで重要な判断材料になるため、昔から研究されています。具体的には「冷え」を引き起こす要因を主に4つのタイプに分類します。

「瘀血」による冷え

普段から肩こりや頭痛のある人は、血流が悪くなっていることが「冷え」の要因と考えられます。こうした「冷え」は血行を良くしてサラサラにするための活血薬を用います。

「気」と「血」の不足による冷え

貧血や立ちくらみ、疲れやダルさを強く感じている人は、体の栄養源である「血」が少なく、体の元気を維持するための「気」も不足している状態だと考えられます。特に女性は、月経や妊娠・出産などで「血」と関わりの深いです。常に補充しておくことが理想的です。こうした「冷え」には「気血」を補う必要があります。

「気」が滞って起こる冷え

ストレスを感じやすかったり、イライラしやすい人、お腹の張りや便秘に悩まされたりする人が「冷え」の症状もある場合は、「気」の巡りがスムーズにいかなくなって停滞している「気滞」の状態が疑われます。「気」と「血」は車の両輪のように、互いに連動した動きをするため、「気」の流れが停滞すると「血」の流れも停滞し、血行不良によって「冷え」が生じるのです。こうした「冷え」は「気」の巡りを良くすることも「冷え」の対処法になります。

体を温める力が不足している冷え

疲れやすかったり、カゼを引きやすい人。背中の辺りがいつも寒く感じたり、胃腸の調子が崩れやすく下痢になりやすい人。むくみやすく、腰痛もある。こうした症状がいくつかある人は、体を温める力が不足した「陽虚」の状態。この「陽虚」の人は、五臓の「腎」の働きが不足した状態で外からの「寒」の影響を受けやすく、簡単に冷えが生じてしまい胃腸機能の低下も招きます。これが「気血」の流れに悪影響を与え、「冷え」の症状はますます悪化してしまいます。胃腸とともに体を温めて「陽気の力」を強める必要があります。

以上、4つのタイプを紹介しました。ただし、この4つは1つではなく、複数絡んでいることの方が多いです。

また「冷え性」は生活習慣からくるという側面があります。「1日3食バランスを食べる」「早寝・早起きの実践でスッキリ」「ぬるめのお湯に長めに浸かる」「襟首、手首、足首の3首を冷やさない」「クーラーの効いた場所での薄着は注意」「毎日適度な運動を」「お酒やタバコは控える」など、生活習慣の改善である程度の予防改善が可能です。