こんにちは。

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漢方の診断は、「四診」といって「望診(顔色や肌ツヤ、舌の状態などを見る)」「聞診(声や呼吸の音を聞く)」「問診(患者さんの病状を問う)」「切診(患者さんの脈、体を触れる)」から診断をします。この中でも「望診」は大切な診断方法のひとつです。顔を見るだけでもその人の体の不調をイメージできるんです。

<顔色>
・青みをおびている、青筋が目立つ/肝臓の不調
・赤い/のぼせ、心臓の障害
・黄色い/胃腸、消化器の不調
・白い/貧血傾向、肺や皮膚が弱い

<頬>
・赤くほてる/のぼせ、陰陽バランスが悪い
・吹き出物/過食と便秘
・毛穴の目立ち/皮脂減少、津液、水分不足によるキメの粗さ

<舌>
・周囲に歯型がついている/代謝能力が落ちている、水分過剰によるむくみ
・赤みがかっている/熱がこもり水分不足
・白っぽい/貧血、虚弱体質
・舌苔が白い/体が冷えている

<口>
・周りの吹き出物/胃腸が弱っている
・唇が白い/血液が足りない
・唇が赤い/熱がこもっている
・口内炎/疲れがたまり、抵抗力が落ちている

<鼻>
・鼻水の色/黄色い粘度があるものは熱がある、薄い(透明)のは体が冷えている

<目>
・目の下のクマ/夜更かしやストレスによる血行障害
・目の疲れ/肝臓機能の低下
・目のくぼみ/慢性的な疲れがたまっている

<髪>
・髪が細くなった/老化、腎臓の衰え
・クセが出てきた/血液やホルモン不足による髪のやせ減少

現在、たくさんの漢方薬が市販されていますが、その中でどれを選んだらいいのか、どんな漢方薬が効くのか、自分の体質や症状に適切なものを見つけるのはなかなか大変…。

だから、薬局でもカウンセリングが必要で、自分に合う漢方薬を選んでもらうことをおススメします。症状と体質にふさわしい処方を出すのは「弁証論治(べんしょうろんち)」といいます。

例えば同じカゼでも、「ぞくぞく冷え鼻水が出る人」と「発熱、のどが痛い人」に使う漢方薬が違います。総合のカゼ薬でよく「鼻水がひどい人に…」「のどが痛い人に…」「熱が高い人に…」というシリーズもありますが、あれは中の成分が違うだけで症状をおさえる薬です。

漢方薬の場合は根本的な考え方が違います。「ぞくぞく冷え鼻水が出る人」は「冷え」が原因なので温めて治す「葛根湯」などを…。「発熱、のどが痛い人」は「熱(細菌・ウイルス感染)」が原因なので、炎症を抑えて細菌やウイルスを殺す「天津感冒片」などを使います。その原因が「寒」なのか「熱」なのかを見極めてる必要があります。それにより、漢方薬の「切れ味」も違ってくるんです。

「望診」もそうですが、「四診」をして、その人の体質や体調を見極め、適切な漢方薬を選んでもらうには、まずカウンセリングが大切です。