こんにちは。

ボクたちのやっている中医学(中国漢方)は「未病の医学」と呼ばれています。それは、西洋医学では「気のせい」で済まされてしまうごく小さな体の変調も見逃さず、小さな不調が病気に進んでしまう前に治そうとする、予防を第一とする医学だからです。

放っておくと早晩病気として発症するという状態を「未病」と言いますが、漢方は4000年以上も前から「未病」の対策を考えてきました。

西洋医学では病気と判断できない状態の不調や不具合でも、漢方は様々なことから手掛かりを探し、治療をするワザを持っています。簡単な例で言えば、「舌」を体のバロメーターとして判断するのもその一つです。

舌の状態を診るのは、一般の病院などでもよく行われますが、漢方の場合は「望診」と呼ばれ、昔から重要視されている診察法です。

通常、健康なときの舌は、ピンク色をしていて、その表面はうっすらと白い苔がついていて、うっすら湿っています。

これが赤っぽかったり、紫色や黒ずんでいたり、あるいはネバネバした黄色い苔が付いていたら、体のトラブルを知らせるためにシグナルを発していると判断します。

舌の状態体の状態
舌が紫色をしている血が滞っている
舌が紅色をしている熱がこもっている
舌の色が悪い(淡い)血が不足している
両脇に歯のあとがついて凹凸している胃腸の機能低下による水の滞り
舌の苔が厚く粘っこい余分な水分が溜まり消化が悪い
舌の苔が厚く乾燥している老廃物が溜まり、水分が不足している
舌の苔がなく照りがある血と水が大きく不足している

舌の状態を診るだけで、病気とは言えないまでも、病気に発展するかもしれない一歩手前の不調を知ることができ、治すことができる…。これが、病気になる前にその原因を取り除くことである「未病先防」、心と体は一つのものと考える「心身一如」の考え方を重視する、漢方の強みだと思います。