こんにちは。
連続テレビ小説「らんまん」。
日本の植物分類学の父であり、自らを「草木の精」と称した牧野富太郎博士がモデルとなっています。
薬局の本📚を整理していると、牧野博士の「原色牧野植物大圖鑑(北隆館)」が出てきました。昭和57年(1982年)の約40年前の本です。
牧野博士が描いた植物図鑑で、できる限り正確に復元されていて、丁寧に描かれた植物が2556種あります。写真の右ページ上には「クコ(枸杞)」が描かれています。
そういえば、牧野博士は「長生きしたければ枸杞を食え」と書いて、自室の壁に掲げていたそうです。
確かに、クコの実は美容や健康にいい栄養たっぷりのスーパーフードとして注目されています。
現代薬理研究によると、枸杞子に含まれている主な活性物質は枸杞多糖類、枸杞ポリフェノール、ベタイン、フラボノイド、カロテノイド、スペルミジン及びビタミン類、微量元素などがあります。
それに基づいて、臨床の上ではクコは多くの分野で応用できます。
(1)枸杞と肝臓保護
枸杞子は肝炎ウイルスの複製を抑え、肝臓での脂肪代謝を調節できます。炎症、酸化ストレス、細胞ア
ポトーシスを軽減し、肝の繊維化を改善でき、腫瘍細胞の増殖を抑制することもできます。従って、慢性
肝炎、脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎、さらに肝腫瘍、及び原因不明の肝機能障害の場合に応用す
ることができます
(2)枸杞と目の健康
枸杞子は糖尿病網膜組織中のアスコルビン酸レベルとSOD活性を高め、過酸化脂質レベルを低下さ
せ、網膜組織の酸化損傷に対抗及び加齢による黄斑変性を改善することができます。枸杞は優れた目の
機能を改善させる効能を持つため、「明眼子」ともいいます。臨床では、枸杞はドライアイ、網膜症、白内
障、飛蚊症、目の疲れなど目のトラブルに適応しています。
(3)枸杞と生殖
枸杞子は8細胞期の卵割率を高めたり、胞胚の形成率を高めたり、胞胚の質を高めたりすることがで
きます。精子の運動率を高めるということもできます。臨床では、枸杞は不妊症の治療や、精子無力症な
どに対応するときに使われています。
(4)枸杞と美白・美肌
「天然栄養素の宝庫」の枸杞子は、二種の優れた抗酸化活性、DPPH阻害活性とSOD様活性値に関す
る試験を通じて、紅斑や黒化を抑える効果、黒化した肌の回復を早める効果があることが証明されてい
ます。
枸杞子の入っている漢方薬には「飲む目薬」と呼ばれる「杞菊地黄丸」があります。
ボクは朝飲むお茶の中に枸杞を入れて飲んでいますし、店頭ではクコを育てています。「静波大実クコ」という、静岡県の静波で発見された大実の豊産性品種です。今は小さいですが、元気に育ってくれています。最終的には自給自足ができればいいですね。
話は戻りますが、「原色牧野植物大圖鑑(北隆館)」は見ていただけるように店内に置いています。