こんにちは。

中医学の中では、「気」「血」「津液(水)」は健康を支える3本柱と考えます。この3つが充実してスムーズにめぐれば、人は健康状態を保てますが、不足したり、めぐりが滞ったりすれば、人は健康の枠から外れていきます。中医学的に、自分の体質を把握してみてください。

その中で「津液(水)」とは、血液以外の水分およびその機能をさします。

水が関係する中医学の体質として、「陰虚」と「痰湿」があります。

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<陰虚>
陰虚とは、「水」が不足している体の潤いが足りない状態をさします。

水は「陰陽」の「陰」に属し、体の陰陽のバランスを保つために「体を潤し、熱を冷ます…」という重要な役割をしているんです。

水が足りなくなると、体の陰陽のバランスが崩れて、陰の不足による熱が表れることも。ちょうど車に例えると、オーバーヒートした状態です。

女性は更年期が近づくと、のぼせ、ほてり、カッと汗をかくなどの症状が出るようですが、これも体を潤す水が不足して、熱が出やすいことと関係があります。

その他、「陰虚」の人はやせ気味、頬が赤みをおびやすい、微熱、耳鳴り、寝汗が表れやすいようです。

体の潤いが足りないため、肌がカサカサし、空セキが出たり、目が乾燥したり、口やのどが乾き、便がコロコロして硬いなどの症状が表れてきます。いわゆる、ドライシンドローム(ドライアイ、ドライマウス、ドライスキン、ドライバジャイナなど)がこれにあたります。

舌の状態は舌の色が赤くて、ときに「裂紋(れつもん)」と言われる舌の表面の裂け目があり、苔は少ないかほとんどないです。

「陰虚対策」のポイントは、「体を潤わせる食材を積極的に摂る」「辛いもの、熱いものは控えて」「冷たいものを摂り過ぎない」「お酒の飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎに注意」をしてください。

おススメ食材は、豆乳、トマト、梨、レンコン、豚肉などです。お茶は緑茶やほうじ茶、菊花茶など。

中医学では、昼は「陽」、夜は「陰」が支配する時間と考えます。夜型の生活を続けていると、陰分はドンドン消耗してくるので、夜の12時前までに寝るように心掛けてください。また、適度な運動をおススメしますが、汗をかいたら水分の補給は忘れずに…。

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<痰湿>
一方、「痰湿」とは、「水」の流れが滞った状態。水はスムーズに流れず滞れば濁ってきます。

体の中でも水分代謝が悪くなると、余分な水分や脂肪分が溜まってきて、きたない「痰湿」の状態になります。

その結果、体に溜まった老廃物、つまり「痰湿」が、ニキビ、吹き出物、痰、おりもの、ときには軟便や下痢となって体の外へ出ようとします。

「痰湿」タイプの人は暴飲暴食、脂っぽいものや甘い物の摂り過ぎ、運動不足の傾向があり、肥満、体脂肪率や皮下脂肪が高い、また血中コレステロールや中性脂肪が高く、高脂血症になりやすいんです。ひどくなると動脈硬化、狭心症、脳梗塞などにも…。

その他、頭が重い、体がだるい、吐き気やめまいが出やすい、痰が多い、むくみなども表れます。

「痰湿」タイプにはさらに、体が冷えて舌には白いベトベトした厚い苔が見られる「寒のタイプ」と、体に熱のこもって舌には黄色いベトベトした厚い苔が見られる「熱のタイプ」に分かれます。

「痰湿対策」のポイントは、「食べ過ぎないこと」「食物繊維の多い玄米や雑穀類をよく噛んで食べる」「肉の脂身などは避けて」「チョコレートや生クリームなどの甘いもの、炭酸飲料などのは控えて…」「お酒の飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎに注意」をしてください。

おススメ食材は、玄米、昆布・ワカメ・のりなどの海藻類、イワシ・サンマ、ゴボウ、緑豆・春雨、サンザシなどです。お茶はウーロン茶、プーアル茶、ハトムギ茶、杜仲茶、ハブ茶、ドクダミ茶など。

食事をよく噛んで食べると、過度の食欲と食べ過ぎを抑えてくれる効果があります。よく噛む習慣を身に付けるように心掛けて…。その他、「痰湿」体質を改善する大事なことは毎日運動をすること。運動を行い、汗をかいて体に溜まった余分な水分や老廃物を積極的に排出するように…。