こんにちは。

中医学の中では、「気」「血」「津液(水)」は健康を支える3本柱と考えます。この3つが充実してスムーズにめぐれば、人は健康状態を保てますが、不足したり、めぐりが滞ったりすれば、人は健康の枠から外れていきます。中医学的に、自分の体質を把握してみてください。

その中で「血」とは、血液およびその機能をさします。

血が関係する中医学の体質として、「血虚」と「瘀血」があります。

131108_3

<血虚>
血虚とは、「血」が不足している状態をさします。

しかし、中医学の「血虚」は、西洋医学でいう赤血球の減少などの「貧血」よりも広い意味合いがあるんです。例えば、血液検査で貧血と診断されなくても、血球細胞の形や働きが悪くて異常な症状を起こした場合も「血虚」とみなします。

つまり、貧血一歩手前の状態も含めて広い意味での血の不足を意味します。

「血虚」になると、顔色が白く艶がなく、めまいや立ちくらみ、手足のしびれ、肌がカサカサして痒くなり、白髪や抜け毛が生じ、女性では生理不順や不妊症などの婦人病を起こしやすくなります。その他、目の疲れや視力の衰え、動悸、息切れ、不整脈なども表れやすくなります。

舌の状態は、全体的に色が淡くて小さめです。

「血虚対策」のポイントは、「胃腸の消化吸収機能を高め、胃腸に負担をかけない食事を基本とする」「偏食を避ける」「黒い食材、赤い食材を積極的に」「冷たいものを摂り過ぎない」こと。

おススメ食材は、レバー、鶏肉、クコの実、ニンジン、黒ゴマ、イチゴなどです。お茶は紅茶やほうじ茶、クコ茶など。

そして、「血虚」の人は、消化機能も弱いことが多く、冷たいもの、生もの、脂っぽいもの、また甘いものなどの摂り過ぎには注意です。普段から、偏食をせず、正しい食生活のリズムを作りましょう。また、長時間の「血虚」状態が続くと、骨ももろくなり、心臓も弱くなるので、激しい運動を避け散歩や軽い運動を行うこと…。無理なダイエット、朝食抜き、偏食少食、また生活の不規則などは「血虚」に結びつきます。

131115_4

<瘀血>
一方、「瘀血」とは、血がドロドロして血のめぐりが悪い状態を指します。

血のめぐりが悪くなると、栄養が末梢循環に運ばれず、不要な老廃物がたまり、顔や唇の色が暗い、シミやソバカスが多い、手足の冷え、便が黒っぽいなどの症状が表れます。

また、血行不良が続くと、慢性的な肩こり、ガンコな頭痛や関節痛、女性では生理痛、生理の血が黒っぽくてレバー状の血のかたまりが混じることも多くなります。

「瘀血」は色々な病気のもとになります。血がドロドロの状態が続くと、血管が弱くなり、動悸、不整脈、胸苦しい、血圧が高い…などの症状が表れ、ひどくなると心筋梗塞、狭心症、脳卒中にも発展することも…。

また、老廃物などが蓄積していくと、体内のしこり、子宮筋腫、ガンなどになることもあります。

舌の状態は色が紫っぽく、紫のシミのような斑点が見え、舌の裏側の静脈は太くて静脈瘤のようなコブが見えることも…。

「瘀血対策」のポイントは、「美食、過食を避けること」「適度な運動を心がけること」「血をサラサラにする食材を」「体を冷やさないように」。

おススメ食材は、ニンニク、タマネギ、ラッキョウ、さんまやいわし、桃などです。お茶はベニバナ茶、バラ茶、ほうじ茶など。

「瘀血」のある人が、血行を改善するには、食事のほかに、適度な運動は大切です。「流れる水は腐らず」という諺があります。体を動かして血行を良くすることは、健康の基本です。肩こりの人は長時間同じ姿勢でパソコンやデスクワークをしないように心掛けて…。1時間以上の仕事を続けたら、軽く体操したり、目を休めたりして下さいね。その他、体を温めると血行が良くなります。シャワーよりも湯船につかるようにしてください。