こんにちは。

中医学の中では、「気」「血」「津液(水)」は健康を支える3本柱と考えます。この3つが充実してスムーズにめぐれば、人は健康状態を保てますが、不足したり、めぐりが滞ったりすれば、人は健康の枠から外れていきます。中医学的に、自分の体質を把握してみてください。

その中の「気」とは、元気の気、「生命のエネルギー」のこと。気力の気…と言うように人の活力の素です。

気が関係する中医学の体質として、「気虚」と「気滞」があります。

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<気虚>
「気虚」とは、気が不足した状態。

疲労、倦怠感、脱力感、息切れを感じやすく、冷え性にもなりやすくなります。胃や腸も冷えて消化機能が低下して、食欲不振、胃がもたれたり、軟便や下痢になったりすることもあります。

気は「免疫力」、自然治癒力の本でもあるので、「気虚」になると、免疫力が低下してカゼを引きやすく、また引くとなかなか治らなかったりします。

そのほか、花粉症などのアレルギー疾患、頻尿、夜間尿、不感症、不妊症、インポテンツなどの症状も表れやすくなります。

舌の状態は舌の色が淡くて全体は腫れぼったい、舌の縁に歯の跡がつく「歯痕(しこん)」がついていることもあります。

「気虚対策」のポイントは、「体全体をあたためる」「胃腸の消化吸収機能を高め、胃腸に負担をかけない食事を基本とする」「冷たいものを摂り過ぎない」こと。

おススメ食材は、ヤマイモ、牛肉、ウナギ、ネギ、豆類、栗などです。お茶は紅茶やほうじ茶、緑茶、杜仲茶など。

そして、過労は気を消耗して、気の働きを弱めます。過労を避け、休息や睡眠を十分にとることは健康にとっても大切です。また、自然の中でのウォーキングや適度な運動を行うことは肺の機能を高め、酸素を効率的に取り入れて体内のエネルギー(気)を増すことになります。

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<気滞>
一方、「気滞」とは、気の流れが滞ること。ストレスや精神的な過労が続き、気のめぐりがうまくいかず、滞った状態です。

中医学の気のめぐりは西洋医学の自律神経の働きと重なります。

「病は気から…」と言われるように「気滞」になると自律神経のコントロールが上手くいかず、精神的に不安定になったり、イライラ、怒りっぽい、憂鬱、落ち込みやすい状態に…。

気のめぐりを司る臓腑は「肝」です。肝の経絡は体の両側を走っているため、「気滞」になると、片頭痛、乳房の張り、両脇の張り、舌の側面が赤くなる…などの体の側面に症状が出やすくなります。

また、ストレスが溜まると、胃やお腹が張って、ガスやゲップが出やすい、不眠、夢をよく見る、のどの不快感、血圧が高くなる、女性では生理不順や月経前症候群(PMS)などに悩まされる人も多く表れます。

舌の状態は両側が赤く、薄い白または黄色い苔が見られます。

「気滞対策」のポイントは、「気を巡らせる香味野菜やお茶などを積極的に」「肝の機能を促進する酸味のある食べ物を」「辛いもの、お酒はほどほど」に。

おススメ食材は、セロリ、春菊、ゴーヤ、ミント、オレンジの香味野菜やイカ、アサリ、シジミなど肝によいものです。お茶はジャスミン茶やミントティー、ローズティー、カモミールティー、菊花茶など。

ストレスの蓄積は気のめぐりを悪くする一番の原因です。どんなに忙しくても心のゆとりを忘れないで…。映画や音楽鑑賞など、趣味をもつことで、気分転換を。また、適度な運動を行い、汗を流せば気分も爽快になります。