こんにちは。

「いつも使っている化粧品がヒリヒリする」「季節の変わり目に、お肌の違和感を感じることがある」「いつもより肌荒れや乾燥が気になる」「吹き出物がひどくなった」「体調やストレスによりお肌の状態が不安定になる」。

そろそろ暖かい気持ちの季節でもある春は、肌トラブルが増える季節でもあります。

「ゆらぎ肌」

よく温度、湿度の変化に上手に適応できずにバリア機能が低下し、一時的に肌が敏感になっている状態のことを「ゆらぎ肌」と呼ばれます。乾燥、吹き出物、刺激(ヒリヒリ)、赤み、痒み、摩擦に敏感、ゴワゴワなどは、一時的にお肌が不安定になっている「ゆらぎ肌」かもしれません。

「ゆらぎ肌」の原因としては、「気温差」「紫外線の増加」「環境の変化によるストレス」、そして「花粉や黄砂による外部からの刺激」です。

  • 気温差:春は天候が変わりやすく、昼夜の寒暖差も激しく、温度変化にお肌がついていけずに「ゆらぎ肌」に。
  • 紫外線の増加:紫外線は3月頃から急激に増えます。お肌の老化・シミの原因のUV-Aも4月がピークに。
  • 環境の変化によるストレス:春は人事異動や転勤などで新生活が始まる季節です。そのため、ストレスによってホルモンや自律神経乱れさせ「ゆらぎ肌」を起こします。
  • 花粉や黄砂による外部からの刺激:春は花粉や黄砂といったアレルゲンが多く飛んでいます。花粉がくしゃみ・鼻水・目の痒みなどの花粉症を引き起こすことは知られていますが、これらのアレルゲンがバリア機能の低下した肌に付着するとアレルギー反応により、痒みや赤みといった肌荒れを引き起こします。

そのため、「ゆらぎ肌」対策としては、外出するときは帽子やマスク、メガネなどを活用するなど「花粉・黄砂などのアレルゲンに触れない」、しかり日焼け止めをするなど「紫外線対策をする」、そして「とにかく保湿」です。通常のスキンケアでピリピリした刺激を感じる場合、バリア機能が乱れているサインです。敏感肌でも使える低刺激な、スキンケアアイテムを選びましょう。

ただし、お肌は女性ホルモンの影響を受けやすいため、年齢とともにゆらぎやすいと言われます。また、ホルモンバランスが急激に変化する妊娠・出産・月経前後も「ゆらぎ肌」のリスクが高まりますので、漢方薬などでケアすることもおススメです。

中医学では「風」と考える

中医学では体を考えるとき、体の内部を全体からみるだけでなく、ボクたちを取り囲む自然も含めて1つの統一感として考えます。ボクたち人間は自然の中で生活しています。自然界の一員であり、自然界の一部です。そのため、様々な影響を受けています。ですから、病気を治療するときには、常に人体と自然界の関係を一緒に考える必要があるわけです。

ボクたちの体は絶えず自然界の影響を受けていて、風、寒(寒さ)、暑(暑さ)、湿(湿気)、燥(乾燥)、熱…自然界の変化に上手に対応できなくなると、これらの外的原因(外邪)が経絡につまりを引き起こす…と考えます。これら、風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、熱邪を「六淫」と呼びます。

春は、風が比較的強く、自然界は命が芽吹く季節です。この季節に人が病気になると、「風」のような症状をあらわすことが多くなります。アトピー性皮膚炎の人は、春になると痒みが増すことがありますし、ゆらぎも「風」の影響と考えられます。

「風」の特徴は、自然界の風に類似し「上昇」する特徴があります。上半身に影響を与えやすく、頭痛、顔、頚、胸などに皮膚症状が出やすくなります。発病が急で変化が速く、ミミズ腫れ、赤いブツブツなどが見られます。

先日、原因不明の蕁麻疹のご相談がありました。蕁麻疹は痒みを伴う膨疹で、数分~数時間持続し、跡形もなく消失します。急性の蕁麻疹は「風」の症状が強くなっているのです。そのときは「風熱」と「血熱」を取る漢方薬を飲んでいただきました。その後のお話では、次の日には治まったそうです。

季節の変わり目になると体調を崩しがちになるのは、それは「六淫」の影響が大きいと思います。