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皮膚が赤くなり、肥厚した皮膚がフケのように剥がれ落ちる「乾癬」。

本来、体を守るための免疫機能が異常をきたして起こるとされ、「ささいな刺激に体の免疫が過剰に反応し、その防御反応として表皮の新陳代謝が活発になります。約45日のサイクルが3~4日程度に短縮され、表皮が赤くなったり、分厚くなったりします。

「乾癬」は皮膚科特定疾患に指定される難病性疾患で、「皮膚の炎症」と「表皮の新陳代謝(ターンオーバー)の異常」の2つの側面をもつ疾患です。

発症には感染症や喫煙、肥満などが関わっていて、皮膚やリンパ球、脂肪細胞などから出る「炎症性サイトカイン」という物質が関係しています。最近、「乾癬」患者が増えているそうですが、増加の要因の1つとして「食の欧米化」が考えられています。日本では男性が女性の2倍発症しやすく、30~50代の働き盛りの世代が多いようです。

「乾癬」は皮膚が赤く腫れたり、表面にできた鱗屑という銀白色の細かいかさぶたがフケのように剥がれ落ちたりするほか、爪が剥がれたりすることもあります。鱗屑を掻破すると点状出血(アウスピッツ現象)と、刺激により病変を誘発(ケブネル現象)が特徴です。好発部位は頭、肘、膝、腰などの擦れたり刺激を受けやすい場所ですが、関節炎を伴う「乾癬」もあります。また、重症であるほど心筋梗塞の発症リスクが上昇するとされ、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の合併も多いです。

病程としては、新しい皮疹が絶えず発生し、旧病巣が拡大する「進行期」、新しい皮疹はほぼみられなくなるが、旧病巣は消退しない「静止期」、病巣は縮んで色が薄くなり、だんだんなくなっていく「退行期」とあり、「乾癬」は「退行期」の状態を維持することがポイントになります。

中医学で考えると、「血熱型」「血虚風燥型」「瘀血型」「熱毒型」「膿疱型」「風湿阻絡型」という証に分類でき、それに合わせた対応していきますが、基本は「乾癬」は「血」から治す涼血が必要です。「血熱」と「血燥」を中心に考え、漢方薬も「涼血薬」が中心になります。

先日、「乾癬」のご相談がありました。「全身に出ていて、お友達とゴルフに行きたいが、今の状態だとお風呂に入れないから行けない…」と嘆いてらっしゃいました。

この方には「清営顆粒」と「瑞花露クリーム」をお出ししました。外用剤は炎症をとる目的と、刺激を避けるための保護の目的があります。もちろん一気に消えるわけではないですが、10日くらいで紅色→ピンク色に色が薄くなってきているとのこと。2ヶ月くらいで漢方薬を服用しなくても悪化しないようになったそうです。今は全く出ていないそうですが、「食事の見直し」「5kg減量」「散歩」など、ご本人様も努力された部分も大きいです。

「乾癬」の重症化させないためには「脂っこい食事を避け、肥満を防ぐ」「禁煙」「カゼや歯周病など感染症にかからないようにする」「肌を刺激しにくい服装」「アルコールは控えめに」という生活習慣の見直しが大切です。