こんにちは。

ボクたちの腸内細菌叢(腸内フローラ)。100兆個以上の腸内細菌群のお花畑の様なもので、ボクたちの健康や老化にも関わっています。

ボクたちの顔が1人1人違うように、腸内に棲みつく腸内フローラも1つとして同じものがありません。多種多様な腸内細菌がいるほうが豊かな腸内フローラであり、安定しています。

だいたい5歳くらいまでに腸内フローラの構成が決まってしまい、その後は大人になってもほとんど変わることはないのだとか。

腸内フローラの細菌たちは、ボクたちの健康を支えてくれるパートナーであるだけでなく、遠いご先祖様の代から共に支え合ってきた人類全体のパートナーなわけです。極端に言えば「腸内細菌≒ボクたちの遺伝子の一部」なのかもしれません。

そう思うと、愛おしいですよね。

最近の研究では腸内フローラ次第で「やせ」にも「肥満」にもなることが分かっています。腸内細菌が作る「短鎖脂肪酸」が脂肪の蓄積を抑え、消費を増やすことで肥満を防ぐと言われています。

心の病気も腸内細菌が関わっているという研究もあります。ボクたち人間の脳は1000億個の神経細胞がネットワークを作っています。腸にも神経細胞があり「腸管神経系」と呼ばれ、脳に次いで2番目(1億個でイヌ🐕の脳と同じ)に神経細胞が集中しているのだとか。腸の神経の信号が、迷走神経を通じて脳に伝わり、気分や感情に影響を与え、腸内細菌は脳に対して「話しかけるルート」を持つと考えられています。

花粉症やアトピーなどのアレルギーを防ぐカギとなっているのも腸内細菌。

さらに、漢方薬の効き目も腸内細菌が左右しています。

漢方処方を構成する生薬には、様々な「配糖体」が有効成分として含まれます。ところが、配糖体によってはヒトの消化酵素によって分解されず、生体内での利用率が著しく低いものもあります。

配糖体は腸内細菌による代謝(加水分解)を受けることで生理活性成分となり、はじめて薬効を発揮するわけです。

「A」と「B」の生薬を服用し効果があったけれど、実際調べてみると、効果があったのは「A」と「B」が代謝されてできた「C」と「D」という具合。漢方薬は多種多様な生薬(成分)で構成されており、実際にはもっと複雑です。

これらはほんの一部なのだと思いますが、分かれば分かるほど、腸内細菌の凄さを感じている今日この頃です。