こんにちは。

近年の研究で、スギ花粉に含まれる「抗原タンパク質」が乾燥や外部刺激から肌を守る「バリア機能」を低下させ、肌荒れの原因になる…ということが分かりました。

この研究結果から、スギ花粉が皮膚のバリア機能を低下させ、皮膚の水分を蒸発させ、肌本来の油分としてのバリア機能の維持・回復を担う細胞間脂質の分泌も抑えることが分かりました。このことにより、花粉シーズンに皮膚の乾燥や痒みなど症状が、どうして引き起こされるのかが分かるようになりました。

花粉はアレルゲンの一種で、皮膚・鼻・のど・目の粘膜に付着することにより、アレルギー反応を起こします。

中医学では、皮膚や粘膜は「肺」が司り、「衛気」の働きにも関わっていると考えます。「衛気」とは、「気」の一種で、主に皮膚や粘膜に存在する免疫パワー、体の防衛力のよるもので、体表部や体内の粘膜バリアの役割を果たしているのです。

「衛気」が不足している人は、

  • 疲れやすい
  • 汗をかきやすい
  • 冷え症気味で冷房が苦手
  • 息切れしやすい
  • 季節の変わり目に体調を崩しやすい
  • 花粉症・アレルギー体質である
  • のど、鼻、皮膚、胃腸などに炎症を起こしやすい

つまり、「衛気」はウイルスや花粉、気温の変化などに対する体の第一の守りであり、カゼを引きやすい、皮膚や粘膜に炎症を起こしやすい…といった人は、「衛気」を補う生薬が強い味方になります。

「衛気」を強化するおススメの生薬に「黄耆」があります。

「黄耆」は、体表や粘膜周辺の元気づけに用いられる代表的な生薬で、外的刺激に弱い「肌や口、鼻、体内」の粘膜を強化したいとき、つまり「衛気」の働きを活発にしたいときに「黄耆」の出番です。

処方としては、「黄耆」を主薬とした「玉屏風散」が有名で、日本では「衛益顆粒」として知られています。

この春は「衛気」を高めて体質改善に努めてみませんか?