こんにちは。

今年は花粉の飛散量が多いという予報が出ています。

寒い冬が終わり、やっと春が来たと思ったら、「花粉症」のせいで手放しに喜べない…。

今や国民病と言われる「花粉症」ですが、日本における花粉症の総人口は2000万人以上で、の約4人に1人が悩まされているという非常に身近なアレルギー症状です。

年々「花粉症」が患者が増加している原因には花粉の飛散量が増えたこともありますが、近年は食生活や腸内菌の変化、大気汚染、喫煙、ストレスなどの影響が大きく関わっていると言われていますし、誰でも突然発症する可能性があります。

「花粉症」の症状の重さは「花粉の飛散量」だけで決まるものではありません。

ある資料に、

ストレス × 花粉の量 × 体質(免疫) = 花粉症の症状

という計算式がありましたが、掛け算の法則からすると、どれかの数字を低くすることで、症状の緩和ができるということのようです。同じ量の花粉に曝されても、それぞれの体質や体調によって、花粉から受ける影響、症状の現れ方は大きく変わるというわけです。

毎年2月上旬からスギ花粉が飛散し始め、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目の痒みなど辛い症状に苦しむ人が多くなります。通常、スギ花粉の飛散量は3月上旬が最盛期となりますので、症状の悪化を防ぐのには、スギ花粉飛散開始の時期からの対応が大切です。

自身でできる対処療法として外出時のマスク、花粉が付きにくい素材のコートや帽子を身に着けるなどの予防を行い、「花粉を付けない」「持ち込まない」「残さない」ことが大切です。

花粉症は、本来病原体と戦うための「免疫」が花粉を敵と認識し過剰に反応してしまうことで引き起こされます。

体の免疫細胞の70%は腸に集まっていることから、腸内環境を良くすることで免疫機能が正常に働き、免疫バランスも整います。発酵食品などにより腸内環境を整えるといいです。

一方、中医学では、花粉症の症状が強く現れる人は、主に「衛気(えき)不足」の体質であると考えています。「衛気」は、体の表面(皮膚や鼻、のど)をバリアのように覆い、花粉やウイルスなどの外敵から身を守る役目をしていると考えています。

そのため「衛気」が充実していれば花粉の影響を受けにくく、「花粉症」の影響を起こしても症状が軽く抑えることができる…わけです。反対に「衛気」が不足していると、体が花粉の影響を受けやすい状態となり、症状が重くなる、回復しにくい…という不調へと向かうわけです。

中医学では花粉やウイルスなどの異物を体内に侵入しないようにして病気を予防することを重要視しており、「衛気」の充実は「花粉症」だけでなく、病気やアレルギーを起こさない健やかな体質づくりに役立ちます。これが本治(ほんち)…根本治療と考えています。

そんな「衛気」を強化する処方があります。代表的な処方は「玉屏風散」で、昔から疫病や流感に備える処方として知られています。日本では「衛益顆粒」という名前で販売されています。

この漢方薬の主薬は「黄耆」という生薬で、この生薬をたくさん使った処方になります。「黄耆」は、体の中の免疫細胞を元気にすることが分かっていて、しっかりと服用すれば効果も高くおススメです。