こんにちは。

脳は毛細血管を通して脳細胞に栄養素を取り込みます。

脳の重量は体重の2%ほどですが、全身で使うエネルギーの18~20%も消費します。そんな脳のエネルギー源がブドウ糖とケトン体。ブドウ糖は食事から摂取するほか、肝臓でタンパク質(アミノ酸)から作り出すことも…。そして、エネルギー源としてブドウ糖が足りなくなると肝臓で脂質からケトン体を作り出し、脳がエネルギー不足にならないよう、常に調整されています。

脳の毛細血管には「血液脳関門(blood-brain barrier:BBB)」という他の組織にはないシステムが備わっていて、脳に必要な栄養素だけがこの関門を通って脳内に入ることができます。

脳のエネルギー源であるブドウ糖とケトン体、酸素などはそのまま通過することができますが、脂質やタンパク質はそのままの形状ではこの関門を通り抜けられません。

ブドウ糖は脳のエネルギー源となりますが、ブドウ糖の原料となる糖質を過剰に摂り続けると、血管や脳細胞の老化を進める「糖化」を招くことに…。「糖化」とは、エネルギー源として消化しきれなくなったブドウ糖が、タンパク質と結合して変性し、AGEs(終末糖化産物)と呼ばれる異常タンパク質を作り出す現象のこと。

AGEsは一度作られると分解されず蓄積され、血管や脳細胞のタンパク質にダメージを与え、血管の劣化や脳の機能低下を招く原因にも…。

特に気を付けたいのは砂糖(ショ糖)を多く使ったお菓子やジュースなど。ショ糖は、白米などのデンプンのように2つ以上の糖が結合してできている多糖類に比べて分解に時間がかからないため、吸収されやすく短時間で血糖値が上がりやすくなります。

急激な血糖値の上昇は、脳の働きを不安定にするようですし、食後短時間で急激に血糖値が上昇する「血糖値スパイク」…この急激な血糖値の乱高下を繰り返すことが、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を引く起こす原因の1つとも言われています。

脳の機能を安定さるため、「血糖値スパイク」を起こさせないためには、血糖値を一定に維持することが大切です。

それには「生成されていない食品を選ぶ」「食べる順番を工夫」「よく噛んで食べる」ことを心掛けてください。