こんにちは。

この日曜日、「ふるさと伝承センター」にて山口中医薬研究会の勉強会がありました。

今回の講師は何(ふう)先生で、「腫瘍」についてでした。

ガンのできる仕組み、転移・再発の仕組み、中医学の考えをお話しされました。ガンの進行が問題となる所ですが、その方の「体調」「食欲」「睡眠の質」にも注目すべきということ。

また、霊芝などのキノコ類、白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)など、よく利用される生薬の特徴や使い方なども、先生の症例を交えながらお話しいただきました。

特に興味深かったのが、「飲酒とガンの関係」についてです。

・フランス・パリで開催された「世界がん会議」で、2012年に飲酒が原因で発生した新規ガン患者は70万人以上で、ガン関連の死者も約36万6000人に上るとする調査データが発表された。

・WHO(世界保健機関)は、飲酒が体内の7ヶ所、口腔・咽頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳ガンでガンの原因となると評価している。

・厚生労働省多目的コホート研究(2005年)では、男性に発生したガン全体の13%が週300g以上の飲酒に起因すると概算されている。

このように、飲酒はガンのリスクを高める…いう報告があるようです。

昔から「酒は百薬の長」とも言いますし、ストレスの発散にもなり、楽しい気分にさせてくれるお酒が何故いけないのか…。そう思う方も多いのではないでしょうか。ボクもお酒は好きなので気になるところです…。

理由としては、アルコールから生成された「アセトアルデヒド」が人間のDNAを攻撃し、DNA付加体を形成。「アセトアルデヒド」はDNAに結合し、DNAの活動を阻害し、ガンのリスクを増加させる…というものです。

大半の人はアルコール脱水素酵素を持っていて、迅速に「アセトアルデヒド」をより害の少ない「アセテート」に代謝させるのですが、16億人のアジア系の約30%はアルコール脱水素酵素に変異があり、アルコールを「アセテート」に代謝できない…特に、飲酒で赤くなる人は要注意なのだそうです。

特に飲酒は食道ガンとの関係が強いようですが、これは「アセトアルデヒド」の害だけでなく、粘膜への刺激もあると考えられます。「日本からアルコールが消えたら、食道ガンの発生も9割ほど減るでしょう」と京都大学医学部消化器内科の武藤先生が言われているほどです。喫煙によるガンの発生リスクはよく知られていますが、飲酒によるガンのリスク…ということも知っておく必要があるというわけです。

また、気になるのは「週300g」とはどれ位の量なのか…。

アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位が、純アルコールに換算して20gだそうです。1単位はビール(アルコール度数5度)で500ml、日本酒(アルコール度数15度)で180ml、焼酎(アルコール度数25度)で110ml、ウイスキー(アルコール度数43度)で60ml、ワイン(アルコール度数14度)で180ml、缶チューハイ(アルコール度数5度)で500ml…。

「週300g」であれば、毎日2単位以内に抑えると大丈夫…といことなのかもしれませんが、これには個人差もあると思います。つまりは、何でもそうでしょうが、度を超すと体にとっては「毒」…ということだと思います。強いお酒を大量に…というのは控えた方がよさそうです。

何先生は、山楂子(さんざし)が中国では昔からアルコールの代謝を助けるものとして使われていること紹介されました。中医学の本にも、山楂子は「脾気を醒まし、肉食を消化し、瘀血を破り、塊と張りを散らし、酒を解き、痰を化し、食積を除き、下痢を止める」とあります。

山楂子のフラボノイド成分は肝のキナーゼに作用し、アルコールの害から肝細胞を保護し、同時にキナーゼを活性化し、キナーゼを増やし、アルコール分解する。山楂子の有機酸はアルコールと相互作用すると、エステルとなりアルコールを分解する。お酒と肉は酸性…酸っぱい山楂子はアルカリ性で、酸性を中和し肝臓の負担を軽減する。薬理的にも、山楂子はアルコールの代謝に効果があることが言われているようです。

「これをしたらガンにならない…」ということはないでしょうが、生活習慣を見直しながら、漢方薬を上手に取り入れることがリスクを減らすことにつながるのだと思います。

何先生、ありがとうございました。