こんにちは。
「アトピー」という言葉は、ラテン語で「奇妙な」「とらえどころのない」などの意味を持っています。
1923年、コカとクックの2人のアメリカの医師によってアトピー性皮膚炎に関する最も古い学術論文「家系的に発症する遺伝的過敏症」が発表されたとき、「atopy」という英語名が使われたそうです。今から90年以上前のことになります。
日本へは1960年に初めて紹介されたのですが、当時はそれほど問題にはならなかったそうです。
それでも生活環境の変化とともに増加していくことになり、1998年からは顕著な増加傾向にあるようです。特に、成人性のアトピー性皮膚炎の増加が…。
乳幼児の発症が多かったため、アトピー性皮膚炎は「アレルギー体質の遺伝が原因」…と、かつてはそのように決められていました。
確かに、アトピーには遺伝的な傾向はあります。体質的な遺伝は否定しませんが、人間の体質は成長に従って変化していきます。「アトピー性皮膚炎になる体質」「ならない体質」の二者択一が永遠に続くわけではありません。
「アトピーコップ」という、アトピーの全体像をコップ(人体の治す力)と水(発症要因の総和)であらわした考え方があります。コップの許容量とそこに注がれた水の量のどちらかが上回っているか…ベースに体質的な要因があっても溢れないようにする、発症しないケースはあるわけです。
それから考えても、その人の生活習慣がとても重要になってくることは明らかです。「どういう食生活をしてきたか」「どういうところに住んでいたか」「どういう仕事をしてきたか」「運動歴はどうだったか」…。生活習慣に加え、社会環境、自然環境も関係していると考えられます。
もちろん、アトピー性皮膚炎の原因はそれほど単純なものではないかもしれませんが、病気を理解する「カギ🔐」であると思います。