こんにちは。
中医皮膚病IP講座の2017年度スクーリングの「中国雲南皮膚病研修で見た治療効果」、北海道・まつもと漢方堂の松本先生によるお話です。
ボクも行かせていただいた「中国雲南皮膚病研修」で、研修先の「雲南中医医院」で実際よく利用されている「荊芩湯(けいごんとう)」という処方について、研修で中医師がどのように利用しているのか…実際の症例、処方構成、その処方を実際にどう日本で再現できるか…などをお話しいただきました。
「荊芩湯」という処方は、劉復興教授の考えられた処方で、日本にはない処方…。「荊芩湯」は荊芥(けいがい)、黄芩(おうごん)など7種類の生薬で構成されていて、ボクたちがいただいた先生の考え方、症例などが書かれた本にも紹介されています。
「雲南中医医院」のオリジナル処方…と言っていいのかもしれないこの処方、赤い(深紅)の「血熱」、丘疹(隆起)の「湿熱」、炎症(勢い)の「熱毒」の病邪があるときによく利用されています。
松本先生が紹介された、中医師が処方した症例には、尋常性乾癬、ジベル薔薇色粃糠疹、アトピー性皮膚炎、脂漏性湿疹…がありました。つまり、病名から処方しているのではなく、病邪の性質を見て処方されているわけです。
「血熱」「湿熱」「熱毒」に対して切れ味の良いこの「荊芩湯」をどう再現するか…。先生のアトピー性皮膚炎の症例2例をもとに解説していただきました。もちろん、2例ともが病邪の勢いが同じでないため処方も少し違います…。
最後に、松本先生は治療の順番…「急則治標、緩則治本」の治療方針を強調されました。つまり、急性症状があるときは、まず急性症状を収束させることに専念し、亜急性期に入ってから徐々に本治(補剤)を加えていくべき…というものです。実際に、他院・他店から来られるケースでは、急性期に補剤が処方されていたケースが多かったそうです。ボクもそのお話を聴いて、再認識させられました。
松本先生、ありがとうございました。