こんにちは。
「ワタナベオイスター大阪大会」が「大阪市中央公会堂」の3階中集会室であり、出席してきました。
御堂筋線「淀屋橋駅」を出て川沿いを歩くと目立つ建物である「大阪中央公会堂」。国の重要文化財でありながら貸室として利用できる大変貴重な施設だというのを、行ってから初めて知りました。
そんな歴史的な建物で、筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 裏出良博先生による「聞いて得する!眠りのはなし」、そして渡辺社長による講演です。
裏出先生は「快眠博士」と呼ばれていて、世界的な研究者…。今回案内にあった「博多」「広島」「大阪」の中で、唯一「大阪」だけ講演があるので、楽しみにしていました。
裏出先生のお話は、睡眠のメカニズムを解明するための歴史、睡眠は何故必要なのか…をお話されました。
動物は等しく睡眠をとります。眠りというものは意識が消失するので、その間に襲われるという危険を伴います。何故眠るのか…未だに分かっていないことが多いそうです。
最初の実験は約100年前…。極限まで寝かさず起こしていたイヌから取り出した髄液を、別のイヌに打つというものだったそうです。打たれたイヌは寝てしまったことから、眠る物質が存在する…ということになったそうです。その後、睡眠中の脳波に注目されるようになり、レム睡眠とノンレム睡眠が分かってきました。
最近の研究では、脳で産生される主要なプロスタグランジン(PG)であるPGD2が、自然な睡眠を誘発する物質であることが分かっており、その作用機序も明らかになってきているそです。そしてPGD2の骨格に似ている物質にカフェインがあり、カフェインがPGD2を邪魔することで目覚めにつながるということです。
脳波は深い眠りになるに従い、ゆっくりの波になります。起きているときは色々な情報が入ってきますが、眠りが深くなるに従い入ってくる情報は少なくなります。つまり、眠りは外からの情報をいったん遮断し、頭の中の整理をする時間なんだ…ということも話されていました。
裏出先生によると、睡眠中には「脳・感覚機能の回復」「記憶の定着の消去」「ストレス緩和」「免疫系の調整」「成長ホルモンの分泌」「老廃物(アミロイドβペプチドの排泄」などが行われているそうです。
逆に睡眠がとれない弊害として、作業ミスなどの「判断力の低下」、健忘症、物忘れなどの「認知機能の低下」、うつ、自殺などの「ストレスの蓄積」、肥満、糖尿病、高血圧などの「食欲亢進・甘味や塩分の嗜好性増加」、認知症などの「老廃物の蓄積」につながるそうです。
まだ睡眠について解明されていないことの方が多いようですが、先生の分かりやすく面白いお話で、睡眠のお話でしたが眠ることなく聴かせていただきました。