こんにちは。

月経痛、不正出血、無月経…。月経のトラブルに悩まされる女性は、案外多いように感じます。また、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気も、若い女性に急増しているといいます。

こういった病気の症状は、現代の女性のライフスタイルと大きな関係があると考えられます。

たとえば、無理なダイエット。痩せたい一心で極端に食べる量を減らしていると、体が栄養不足に陥り、必要な気(き)や血(けつ)を作り出すことが出来なくなってしまいます…。当然、「肝(かん)」にストックされる血も減り、月経を起こす力も弱くなってしまいます…。さらには、体も疲れやすくなり、髪や肌がツヤや潤いを失うなど、様々な症状があらわれやすくなります…。

また、気血不足(きけつぶそく)が続くと、体の根源的なエネルギーである「腎精(じんせい)」も不足し、ますますやっかいな状態になってしまいます…。

そしてもう1つ。気血不足と並んで現代女性に多いのは、気と血が滞った気滞瘀血(きたいおけつ)という病態です…。

気血が滞る大きな原因として、「冷え」と「ストレス」が考えられます。

女性を一括りに言うことはできませんが、冬でもミニスカート、生理中でも平気で冷たい物や生ものを摂っている人を見かけると、冷えに対して無防備であると感じます。

冷えや寒さは血管を収縮したり、血の流れを緩慢にしたりする作用があるため、長く続くと慢性的な気滞瘀血の状態を引き起こしてしまうのです。

加えて、はたらく女性が多く、男性並みに仕事をこなし、家事や子育ても…と忙しくストレスも溜まりがちに…。ストレスは「肝」のはたらきを失調させ、気血のめぐりを悪くしてしまいます。

婦人病の増加は、こんな現代女性のライフスタイルが反映されている…と言う人もいらっしゃいます。

婦人病になる原因や引き金は様々ですが、どんな場合も気血不足や気滞瘀血の問題が絡んでいるのは確かです…。気血不足(虚証)と気滞血瘀(実証)…つまり不足と滞りの両方の問題が体の中で起こっている…というわけです。

そのため、一般的には「当帰(とうき)」のように「活血(かっけつ)」や「補血(ほけつ)」の作用をもち合わせたものが用いられますが、子宮内膜症や子宮筋腫のように「瘀血(おけつ)」の問題が大きい場合、「丹参(たんじん)」や「田七人参(でんしちにんじん)」のような活血薬が併用されます。

丹参や田七人参には、体内に滞った古血を掻きだす作用と、痛みを止める作用があるので、内膜症などには必要な生薬かもしれません…。

原因となるライフスタイルを見直しながら、漢方薬を上手に合わせるといいかもしれません…。