こんにちは。
「目は口ほどにものを言う」「目を白黒させる」など、ある辞典では目にまつわる慣用句は約270も収載されるなど、大切なものであることが分かります。
ボクたちは、じつに「8割」…外界からのさまざまな情報を目がキャッチしている…と言われているのです。
中医学では、「目は五臓六腑(ごぞうろっぷ)」とつながる」と考えます。中でも目と関わりが深いのが、体を動かす栄養分となる「血」の貯蔵庫である「肝」。「目は肝の窓」と言われ、「肝」にしっかり栄養や潤いが蓄えられていれば、目の不調も起こりにくい…というわけです。
しかし、不規則な生活で栄養が不足したり、パソコン作業やスマートフォの使用など目を酷使することが続くと、「肝」のはたらきが低下することで、「目の疲れ」「かすみ」「ぼやけ」「視力低下」「ドライアイ」の症状があらわれます。
また、「肝」の不調は精神的ストレスと関わりが深いとも考えます。
つまり、目の不調は、「目の酷使」「栄養不足」「ストレス」が絡み合って起こっている…体の内側からのSOSだと、中医学では考えるわけです。
日頃から取り入れたいものとして、「目の周りを温める」「目を左右に動かす」「目の周りのツボを押す」「食養生で目に栄養を」「漢方薬を利用する」…などがあります。
パソコン作業がある人は小まめに目を休め、熱いお茶などを置いてその湯気を目に当て「目の周りを温める」ことで目の血行が良くなります。
また、顔を動かさず目だけを上下、左右それぞれ限界まで動かすと、目の向きを調節する筋肉である「外眼筋」がほぐれますし、その後に近くと遠くを交互に見ることで、ピント調節をする「毛様体筋」をほぐすことができます。
そして、人差し指か中指で、「印堂(いんどう)」「太陽(たいよう)」「晴明(せいめい)」「攅竹(さんちく)」「四白(しはく)」など、「疲れ目に効くツボ」を押してあげるといいでしょう。
目の使いすぎは「血」の不足につながるため、ホウレン草やブルーベリー、レバーやクコの実など「緑色の濃い野菜や赤や黒の食材」を積極的に摂るようにしましょう。
加えて、目のケアをする漢方薬もおススメです。特に、「枸菊地黄丸(こぎくじおうがん)」は「肝」を強め増血し、目を養う「飲む目薬」として高い効果があります。
小まめに目を休め、目を温めた周りの筋肉を動かす、ツボを押すなどで目の血行を良くする「外側からのケア」とともに、「肝」に栄養を与える食べ物やタイプに合った漢方薬で「内側からのケア」の合わせ技で、目の健康を守りましょう。