こんにちは。

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春は自然界全てのものが新しく生まれ、伸びやかに成長する季節です。

植物も動物も春の陽気に誘われて、活動を開始します。そのためか、ウチのネコのフクちゃんとあまちゃんも最近活動的です…。

このように、春の陽気は体にエンジンをかけるような「気」を上昇させる性質があります。心躍る季節ではありますが、一方でこの時期に「気力」や「元気」が足りないと、活動的な状態に上手くシフトできず、逆にその変化がストレスになり、自律神経やホルモンバランスが崩れやすくなります…。加えて、春は人間関係や環境の変化なども起きやすいので、心身のバランスを崩しやすくなります。

中医学では、体全体の気の流れを調節する役割を「肝(かん)」が担っていると考えています…。「肝」は、「血」を蓄え体内の血量を調整する臓器で、「気」「血」の巡りを良くし、自律神経の安定や骨、筋肉の緊張を維持する臓器と考えられています。

中医学では、「人間の五臓は四季と対応している」と考えていて、「春気」は「肝気」と相通じていて、春の季節は「肝」を養うことが大切になります。特に、日本では、新学期、新年度、新入社、転勤など4月に転機を迎える人も多いので、新しい環境や人間関係などに悩まされることも…。いわゆる「五月病」にならないように、今から「養肝」をしたいものです。

たとえば「イライラの症状」がある場合、よく「逍遥丸(しょうようがん)」で対応します。

中国の古典「金匱要略(きんきようりゃく)」では、「見肝之病、知肝伝脾、当先実脾」(「肝」の病があらわれているときは、それが「脾(消化器系)」に伝わることが分かっているので、あらかじめ「脾」を守らなければならない)とあるので、食欲不振や胃腸膨満感など消化の問題や、ガスがたまる、痛むなどの問題を予防することも怠ってはいけません…。

また、「睡眠障害」などの症状が出ている場合、その対応も必要です。中国には「女子傷春、男子悲秋」という言葉がありますが、女性は「陰」に属しているので、万物昇発の春の季節には矛盾が生じ、憂鬱になりやすい…と言われています。

春は「肝」に関連する症状には気を付けたいところですが、生活養生のポイントは「睡眠時間」と「青色の食物を多めに摂る」こと…。

就寝時間は夜23時を過ぎないように…。…というのは、23時~3時までは肝臓が排毒するための重要な時間帯です。このときの「肝」の経絡の運行は一番旺盛で、肝臓の排毒は「肝血」に関与します。睡眠中にのみ「肝血」が肝臓に戻るので、「養肝」するのに睡眠はおろそかにはできません…。

また中医学には「五色は五臓に入る」という考えがあります。「赤=心」「白=肺」「黄=脾」「黒=腎」、そして「肝=青」です。春に青色の食べ物を多めに摂ることは肝臓にとても有益なことです。

そして、春は抑うつと怒りは「肝」を傷つけるので、愉快な気持ちで過ごし、マイナスな気持ちを避けることです。