こんにちは。

中医学には、「気は血の帥(すい:管理者)であり、血は気の母である」という言葉があります。

「気」と「血」の間には深い関係があり、正常な生理機能を維持するためには、「気」と「血」とが一時も絶えることなく流れていなければなりません…。

言いかえると、「気」「血」の流れの停滞は、色々な病気の原因となるわけです。

「気」「血」の停滞を引き起こす原因はいくつもありますが、その最大のものはストレス…でしょう。

「気」「血」がスムーズに運行するのは、五臓の中の「肝」のはたらきのお陰ですが、「肝」はストレスに大変弱く、ストレスがたまると「肝」の機能はすぐに悪くなって「気」「血」の停滞を招いてしまいます。

大喧嘩や激怒すると、胸苦しさ、両脇の不快感、のどが詰まった感じ、上腹部の膨満感、食欲減退、ゲップ、ため息などの症状がすぐに起ります。

これは「気」が滞った…「気滞(きたい)」の症状です。

ストレスが解消されないと、「気滞」証はますます重くなり、血流の停滞である「瘀血(おけつ)」にすすんでしまいます…。

動脈硬化、高血圧などは「瘀血」の症状で、ストレスも関係していると思われます。

動脈硬化の採泥の原因であるコレステロールは、情動ストレス、特に抑うつ、怒り、恐怖などの感情によって増加することが古くから知られています…。

重要なエネルギー源である遊離脂肪酸は、主に皮下組織に中性脂肪として貯蔵されていますが、種々のストレスは交感神経の活動を介して、皮下組織中の脂肪を分解し、中性脂肪を血中に遊離させます…。

こうした脂肪分は、すぐに利用されないと、血液の粘度を増やす要因となり、血小板の凝集を強め、血液を固まりやすくし、血行障害を引き起こすことになります…。これが、ストレスにより「血」が固まりやすくなるメカニズムです…。

日々積もるストレス…「気」「血」の流れの停滞は、色々な病気の原因になるので注意です。