こんにちは。

皮膚の最も大切な役割は、「外部刺激からボクたちを守りつつ、逆に体内の水分がむやみに外に抜け出るのを防ぐ」…というバリアの役割かもしれません。

この皮膚のバリア機能が小さい頃から低下している病気にアトピー性皮膚炎があります。

アトピー性皮膚炎の人の皮膚を見ると、健康そうに見える部位でも、乾燥し、毛穴に一致して乾いたブツブツが見られることがあります。

これらは、アトピー皮膚と呼ばれ、皮膚水分保持能が低下している状態であると考えられます。なので、秋~冬にかけての乾燥するこの時期は、その傾向が強くなるように感じます。

アトピー性皮膚炎の発症には、「アレルギー素因」に加えて、この「バリア機能の障害」が深く関与しています。

その中でも、皮膚の水分保持機能が低下すると、「バリア機能」も低下し、体内からの水分が蒸発することで、ドライスキンや荒れ肌になります。

「バリア機能」が障害されると、外部からの抗原や刺激物質が簡単に侵入しやすく、細菌やウイルスなども増殖しがちで、またアレルギーとは無関係に、外的・内的刺激に強く反応します。

痒みの出現→掻破(掻き壊すこと)→痒みの増強→掻破の悪化…というサイクルに陥いることになるわけです。

なので、アトピー性皮膚炎を予防・悪化を防止するためには、この「バリア機能」を改善することがポイントであると考えます。

「バリア機能」が障害され、悪化した肌は、皮膚がガサガサしていて硬く、キメが粗い…といった印象があります。水分が足りない…潤っていないからだと思います。

「バリア機能」の障害を受けた肌にも、いくつかのパターンに分類することができます。単なる乾燥症状とする「血虚風燥」タイプ、炎症症状を伴う乾燥症状の「血熱風燥」タイプ、皮膚にゴワつきのある「瘀血」タイプなどが主なタイプです。

ボクが提案しているのが、皮膚病治療の3本柱である「内服治療」「外用治療と弁証スキンケア」「養生」。

肌のターンオーバーは、部位にもよりますが、一般的に約28日周期…と言われています。そのれから考えても、肌の「バリア機能」の改善にはある程度の時間はかかると考えられます。

ただ、改善途中ではその印象が変わってくるのを感じます。ガサガサして硬く、キメの粗い肌が、柔らかくシットリした印象になってくるわけです。

「外部刺激からボクたちを守りつつ、逆に体内の水分がむやみに外に抜け出るのを防ぐ」バリア機能を、内側(内服)と外側(スキンケア)で改善させることが大切だと考えます。