こんにちは。
ステロイド外用剤のステロイドとは、「ステロイド骨格」を持つことから呼ばれているもので、正しくは副腎皮質ホルモン…と言います。
副腎皮質…とは、左右の腎臓のすぐ上に、ちょこんとくっついている「副腎」という臓器の、いちばん外側の部分。「副腎」は重さ5~7gの生命の維持には欠かせない小さな器官であり、体にとってなくてはならない大切なはたらきをするホルモンをつくって、全身に送り出しています。
副腎皮質ホルモンは、副腎皮質から必要に応じて分泌され、血流によって目的の組織に運ばれて、微量でも様々なはたらきをしています。
たとえば、体に色々なストレスが加わったときに体調を整えてくれる、体にとってなくてはならない重要なホルモンで、色々な炎症や免疫のはたらきを抑える非常に強いはたらきがあります。
それを外から補っているのがステロイド外用剤…。
その歴史は、1952年、初めてアトピー性皮膚炎に対する「酢酸ヒドロコルチゾン」の有効性が報告されたことに始まるそうです。以後、50年以上にわたり医療現場で使用され、炎症性皮膚疾患の治療では欠かせない薬となっています。
皮膚に塗られたステロイド成分は、「ステロイド受容体に結合」→「ステロイド・ステロイド受容体複合体を形成」→「核内のDNAに作用」→「皮膚の炎症を抑える」という流れで効果を示します。
ステロイド外用剤も、今では「最強(Strongest)」「非常に強い(Very Strong)」「強い(Strong)」「穏やか(Midium)」「「弱い(Weak)」…と5段階に分けられるようになり、部位や重症度により使い分けられます。
医療の現場におけるステロイド外用剤の使用基準として、
顔面、頚部、陰部…Strongest、Very Strong、Strong、Midium、Weak(2週間以内)
その他の部位…Strongest(2週間以内)、Very Strong(3週間以内)、 Strong、Midium、Weak(4週間以内)
だそうですが、それ以上に渡って使用しているケースも多いように思います。
短期間の使用ならいいんですが、それをいつも外から補っていると、「副腎」はだんだんと怠けてきます。がんばって作らなくても、外から補充されるからです。そうなると、本来のはたらきをしなくなります。使わないものは退化していくんです…。
そうなると、止めようにも止められない…。急に止めてしまうと、体にその炎症を抑え込むだけの力がないため、リバウンドを起こすことがあります。
その場合、漢方薬を服用しながらステロイド外用剤を少しずつ減らすようにすることを提案しています。