こんにちは。

アトピー性皮膚炎の人の皮膚は正常な人の皮膚に比べ、「皮脂膜を作る力が足りない」ことと、「皮膚内の水分保持能力が低い」ことでアレルゲンや微生物が容易に侵入し、さらには「過敏な体質」と併せてアレルギー反応を起こします。

アトピー性皮膚炎では、「皮膚内の水分保持能力の低下」「皮膚表面の皮脂膜不足」が原因の1つですから、外から人工的に水分を補って、皮脂膜を作ってあげることが欠かせません。つまり、ローションで保湿をしながら、クリームで保護をする…。アレルゲンや微生物の容易な侵入から守ってあげることが大切です。

そのとき、保湿剤は長期にわたって使うものですから、その選択は非常に重要だと思います。

比較的正常な皮膚に塗ってみて少しでも刺激があるものはダメ。塗布後しばらくして強い熱感や痒みがあるのもダメです…。

ご相談に来られる方は、ご自分で色々試されている方がほとんどです。そのため、現在お使いのもので、その方に合っているものであれば、そのままお使いいただくこともあります。

最近考えているのが、保湿クリームの「基剤」についてです。

「基剤」には大きく分けて、水に溶けるタイプの「親水性基剤」と水に溶けにくいタイプの「親油性基剤」があります。

基本的に保湿力は「親油性基剤」の方が強いですが、汗の発汗も抑えてしまうので、熱をこもらせてしまう…という欠点があります。熱と痒みは関係があることが多く、温めると痒みが出たり、痒い部分に熱感を感じる人も多いです。

その点、「親水性基剤」は汗が蒸発でき、「親油性基剤」ほど熱をこもらせることがない…ということです。

つまり、温めて痒みがひどくなる人は「親水性基剤」を使った方が良くて、温めても痒みに大きな変化がない人は「親油性基剤」の方が良い…ということになります。