こんにちは。

中医学では、人間は大自然のリズムによってコントロールされ、バランスを保っている…と考えています。

そう考えると、季節ごとに体も微妙に変化し、季節によって出やすい病気が違ってくるのは、なるほどうなずけます…。特に、季節の変わり目にそのリズムに適応できなければ、病気にもなりがちです。

それは皮膚にも言えることで、気温が高く湿度の多い日本の夏には、皮膚血管が拡がり、汗腺、脂肪の分泌も盛んになります。

秋になると乾燥が始まり、寒い冬には血管も収縮し、汗腺、脂肪の分泌は低下します。

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植物が芽吹くこの季節は、細菌やウイルスも活発になる時期でもあるため、花粉症などのアレルギー性疾患やウイルス感染症、伝染性紅斑(リンゴ病)などがよくみられます。特にウイルス性の感染は心筋炎など恐ろしい病気を誘発することが知られています。

そこで、春は感染を予防するのが大事になります。

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暑さと湿気、強い日差しなどによって、夏はあせも、とびひ、カビ、日光性皮膚炎などがよく見られます。皮膚病の大敵である「熱」と「湿」が揃うこの時期は、湿疹や成人型のアトピー性皮膚炎などの症状が悪化しがちです。

日常生活の中では、生もの、冷たい物の摂り過ぎやクーラーのかけ過ぎなどには注意が必要です。

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秋風がたつ頃になると、皮膚も乾燥の時期を迎え、皮膚掻痒症、老人性乾皮症などの乾燥性の皮膚病が目立ってきます。

この時期の皮膚病対策のポイントは、まず皮膚を乾燥させないこと…。薬を使う場合も皮膚に潤いと栄養を与えるものを使います。

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1年中で1番厳しいこの季節…。寒さの影響でしもやけ、レイノー病、寒冷蕁麻疹、寒冷性紅斑などが見られるほか、アトピー性皮膚炎、手湿疹、乾癬、老人性乾皮症、皮膚掻痒症などが悪化するケースも…。

中医学ではこの季節、体を温める「温」と養う「補」という時期と考えています。また、皮膚を保護するスキンケアも大事です。

このように、季節ごとに変化する皮膚ですから、皮膚病とその予防や治療法についても季節によって異なることは明らかです。