こんにちは。
「乳児湿疹」…という病気は、授乳期によくある皮膚トラブルです。
湿疹が皮膚から盛り上がって、赤みが強い、滲出(ジュクジュク)、痂皮(かさぶた)、水疱(水ぶくれ)、痒みなどの症状が、顔、頭、胸や背中などに多発するのが特徴です。
赤ちゃんは新陳代謝が盛んですし、特に生後すぐから2~3ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、体内でお母さんからもらったホルモンの影響で皮脂の分泌も盛ん…。そのため、肌がベタベタ、ジクジクした湿疹もできやすくなります。
赤ちゃんの月齢が低いうちは、これが「乳児湿疹」なのか、アレルギーが関係する「アトピー性皮膚炎」なのか、判断が難しいものです。病院では「アトピー性皮膚炎」と診断され、ステロイド外用剤がつかわれることがあるようです。
「乳児湿疹」の起こる病因としては、消化不良、食物のアレルギー、衣服の摩擦、石けんの刺激…など幾つかあります。中医学では、特に脾胃運化失調…つまり、未熟な消化能力によるものだと考え、重要視します。
授乳中の赤ちゃんの場合、皮膚のトラブルがあるときは、まずはお母さんの産後養生をチェックする必要があります。母親の不摂生というのも原因の1つで、母体の「湿熱」が影響している…と考えられるからです。
赤ちゃんはこうした消化能力が未熟で消化酵素も十分でないため、食物が十分に分解されず、大きな分子のままで体に取り込まれることになるんです。そうすると、体の免疫組織がこれを異物と認識し、アレルギー反応を起こしてしまうんです。
これは赤ちゃんの特徴でもあります。でも成長するにつれて、こうした機能もちゃんと備わって来るようになります。
授乳中の赤ちゃんの場合、お母さんの母乳を通してのませる…という方法があります。母乳を通して「清熱」の有効成分を届ける…というわけです。
お母さんに対症薬をのんでもらい、母乳から赤ちゃんの病気を治す…ことは、皮膚のトラブルを治療する独特な方法かもしれません。