こんにちは。

皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」で構成されていますが、その中でも肌の乾燥に最も関係するのが、表皮の一番上にある「角質層」です。

角質層では、角質細胞の中にある天然保湿因子(NMF:ナチュラル・モイスチャライジング・ファクター)とセラミドなどの角質細胞の間を埋めている角質細胞間脂質が水分をため込んでいます。さらに、皮脂腺から分泌される皮脂と汗腺から出る汗が混ざったクリーム状の皮脂膜が角質層の表面を覆い、水分の蒸発を防いでいます。

141210_4

これら保湿成分のはたらきにより、肌の保湿機能が保たれていますが、冬は大気の乾燥により、皮膚から奪われる水分量が増えるのと、気温が低く新陳代謝も低下するため、皮脂の分泌量も減少するため手荒れや肌荒れなど冬に肌のトラブルは増えてきます。たとえば…、

乾皮症・皮脂欠乏性湿疹
乾燥した角質がはがれ落ち、粉をふいたような状態(乾皮症)になります。乾皮症は痒みを伴うので、掻き過ぎると湿疹ができ、皮脂欠乏性の湿疹となります。

アトピー性皮膚炎の悪化
アトピー皮膚炎の方はもともと乾燥肌が多いのもありますが、乾燥した角質がはがれ落ちると角質層に隙間ができ、外部の刺激を受けやすくなります。そのため皮膚炎が悪化しやすくなります。

ひび割れ
角質層の水分が少なくなり、弾力性を失った肌に刺激が加わり亀裂が入ります。特に水仕事をされる主婦の方は、手荒れのひどくなりやすくなります。

しもやけ・あかぎれ
しもやけは、寒さで血流が悪くなり、うっ血して皮膚が腫れて痒みを帯びた状態に…。そこに刺激が加わり、皮膚が切れてあかぎれになります。

フケの増加
頭皮が乾燥することにより、角質の剥がれ落ちる量が増加します。

このような乾燥に対するポイントとしては「保湿」と「保護」です。保湿剤でしっかり肌を潤してあげることが大切です。保湿剤には水分を補うもの、油分を補うものなどがあるため、目的に応じた使い分けが大切です。

ただ、毎年この時期になると決まって出る方は、漢方薬などで「体の中から潤す」ことがおススメです。